「ひかりふる路」東京公演個人的覚書

2018 1/2〜2/11 東京宝塚劇場雪組公演「ひかりふる路〜革命家 マクシミリアン・ロベスピエール〜」

諸々好きだったところ箇条書きまとめ感想(本当に暇な方以外はオススメしないやつ)


ひかりふる路」

第1場A 1793年1月18日・国王裁判(ロラン邸〜国民公会)

・幕開きタレーラン殿下とロラン夫人のチェスのシーン、ロラン夫人の手を取り口付けようとする殿下から手をすっと引くロラン夫人の艶かしさ、すごく好きだった。

・殿下が喋ってる時に盤面を見て「あら…!」って顔して「…チェック」するロラン夫人のあの「あら勝てるわ」って顔も大好きだった。

・♪1783年1月18日フランス国王ルイ16世の裁判が始まる

アンサンブルがどんどん厚みと迫力を増していったことをきっと忘れない。新公前後くらいにパーン!と押し出しが凄くなったんだよね新公直後だったかな?なんかスイッチが入ったなって感じた日があった多分1/27くらいから。

・次の場面の関係でこの場面にはオランプがいないのがずっと地味に違和感だった(笑)

・ただ声が大きいだけが取り柄か?って言われたダントンのリアクションも日によって違って、それを制止するデムーランの宥め方なんかも日によって違って。

・騒然としている議会を下手端で静かに眺めつつ、フッと手を上げて発言を始めるサンジュストの、1番若いのにすごいカリスマと説得力のある感じが公演の後期特に凄まじくて、あの誰にも真似できないあーさのキラキラをサンジュストにあてた生田先生の素晴しさたるや…。

ルイ16世の叶ゆうりくんの目力の強さが本当に大好きなので、

♪敵を殺せ!敵を殺せ!死の裁きを!死の裁きを!

のアンサンブルに合わせて階段を登りきって振り向き落ちる瞬間のあの瞳、毎回最高だと思って見ていた。

ルイ16世の処刑を実行する腕をあげるダントンの、自信に満ち溢れた格好良さがたまらなく好きだった。


第1場B ロベスピエールの演説

・せり上がりで出てくるマクシムにスッとピンスポが当たるシーンがこの作品の…というかフランス革命を成し遂げたマクシミリアン・ロベスピエールのクライマックスであって、あの登場シーンが1番マクシムが輝いていて、最高に素敵。センターのピンスポを浴びるマクシムの、ライトが当たって輝く瞳が、とてもとても好きだった。

・♪夜明けの空を 赤く染める

から始まる1番明るい曲「ひかりふる路」、マクシムの声が劇場を包み込む瞬間が大好きだった。第一声で、静まり返ったあの2000席以上ある広い劇場の空間を全て自分の掌の上に乗せる望海さんに、その声に、何度鳥肌を立てたか分からない。

・♪一つの心 一つの声 重ね合えば立ちふさがる扉を開く

の「扉を開く」の動きも大きくて本当にどんな困難でも乗り越えられそうに見えて好きだった。

・銀橋センターでの♪このひかりふる路を

でどんどんクレッシェンドかけてくマクシムの説得力しかない歌声も毎回好きだったし、振り返って舞台にいる革命の仲間たちに手を振って銀橋を走り、ダントンとデムーランの腕の中に飛び込んでいくマクシムも、革命三兄弟のあったかさも好きだった。特に「マクシムー!」「こいよ!」って呼びかけながらゴールテープみたいに手を繋いでマクシムを待ってるダントンとデムーランが可愛くて可愛くて。


第2場 革命の犠牲者(マリー=アンヌの回想)

・1/20までは少なくとも、本調子ではないにしてもそんなに気にならないマリーアンヌだったこの場面。1/27はちょっとかすれ気味かと思ったけど、そもそも大劇場版を見ていなかったので多少かすれ気味だったとしてもあくまでも本人比で気にしてはいなかった。

マリーアンヌの声は鈴が鳴るような美しい声だったので、多少調子が悪いにしたってそもそも美声だしって思っていた。

でも2/4はダメだった。2/4のマチネをどうしても忘れられなくて未だに亡霊みたいになってしまっているのはこの場面の力が大きいのをちゃんと書いておかないときっとこの先も消化することすらできないと思うから書いておく。

マリーアンヌである真彩ちゃんの良くも悪くも最大の武器である「声」それから「歌」

2/4、これらを完全に自分が思うようには操れなくなってしまったマリーアンヌは、この自分の自己紹介のシーンからずっと全身で泣いているような、苦しんでいるような、そういう表現をするしか無くなっていて、それが「貴族であるというだけで愛する人たちを奪われた」マリーアンヌとなって舞台を支配していて。ものすごく苦しかった。

その中の人の苦しみとマリーアンヌの苦しみがごっちゃになってとにかくなんか…よく分からないけど、凄かった。

あの日の何かしらのデータが手に入るわけではないので、今となっては凄かったとしか言いようがないけれど、声の掠れたマリーアンヌの、役と本人の気持ちが溶け合う瞬間が確かにそこにあって、私の中では2/4を境にして今作品は全く別物へと進化を遂げた日ってことになっている。

・回想シーンで初期はそこまで婚約者フランソワに対して膝折をしていなかったマリーアンヌが結構大胆に膝おりするようになったのは1/13くらいからだっけ…

・千秋楽のライビュでアップになったこのシーン見てマリーアンヌめちゃくちゃ痩せたし化粧も最初期よりだいぶマシになったなって思いました(小並感)


第3場 ジャコバン・クラブ

・大劇版BD見て「大胆に行こうぜ」のイントロのところの「ノン!ノン!ノンノンノン!」がなくて衝撃を受けた…それ大劇場から付け足せなかったの…すごい…この時点で別物じゃないですか…東京版にあまりに慣れすぎて違和感しかないよ…

・♪夜毎吹き溜まるジャコバンクラブ

の歌詞のところですごいジャンプ力からの回転を見せているオーギュスタンこと綾凰華くんの動きがとても好きでした。このパートを歌っているあすくんもとても良き。

・♪ぶつけ合うだけじゃ 俺たちは眠れない

のとこ、ビョーこと叶ゆうりのソロ有難うございました低音も良い…叶ゆうりの声色っぽい好き…

・♪大胆に行こうぜ男なら 恐れずに乗り込もう燃え盛る炎へ

テーブルの上からオーギュスタンを踏み台がわりにしておりてくるダントン毎回本当に意味わかんないくらいカッコよくて、咲ちゃんがダントンを演じてくれて感謝しかなかった。ちなみにここでダントンが飲んでいるワインは赤。

・「なんだこの騒ぎは!ジャコバンクラブは居酒屋じゃないぞ!」この時点でわかるマクシムの真面目清廉っぷりよ…キャラ立ち完璧だね生田先生…

・「これからも、仲良く三人でやっていくんだ」のダントンが公演最初は割とさらっと…この場面に限らないんだけれど初期ダントンはどんなセリフも比較的軽かったんだけど、中期後期になるにつれ間とか緩急を覚えて本当に良くなっていったんだけど、この台詞も「三人で」とかにアクセントつけて言うようになっていってこれがリピるほど物語の後半に重くのしかかってくるんだよね…

・銀橋「大胆に行こうぜ」合唱のダントンの

♪大胆に もっと大胆に 大胆に

のパートが本当に大好きだったし、後期はこの部分のダントンマイク初期より大きくなって本当によく聞こえるようになって更に好きだった。

・ダントンがマクシムになんか話すたびにスンッ…て顔してるサンジュスト、初期はそこまで激しくなかったのにどんどんマクシム担拗らせていって、この場面も本当にわかりやすい顔してて、千秋楽ライビュはそういう顔ピンポイントで抜いてくるものだからどうなってんだよカメラワーク神かよ問題発生してた。

・銀橋終わってみんなが舞台に戻るところで毎回しっかりキスしてるデムーランとリュシルのラブラブ夫婦ぶりが好きだった。

・この場面は目が足りない問題発生しやすい場面の一つで結局あれだけ回数見ても見たいところ全部見られなかったんだけれど、後ろのサンキュロットや娼婦が毎回毎回本当に色々やってくれていて見ていて楽しいしかなかった。目が100個欲しかったそれを処理して記憶しておく脳も。

・娼婦の笙野(ひーこ)、杏野(あんこ)、白峰ゆり(うきちゃん)の3人の個性と顔面の強さ本当に大好き。男役に絡んで踊っても全く負けない存在感まさに最高。

国民公会議員の眞ノ宮くん(うえんつ)、ゆめくん、星加梨杏(かりあん)

うえんつは前の場面でフランソワ(マリーアンヌの婚約者)として殺されてからの合流なので知らん間にいつも混ざっていたけど、ゆめくんが真面目に新聞読みながら周りと議論してたり、かりあんが娼婦相手に壁ドンしたりキスしたりしてて同じ国民公会議員でも全員キャラ違っていつ見ても楽しかった。雪組100期みんな可愛い!

・ル・バがサンキュロット女の羽織ちゃんにちょっかい出しまくっていたことも円盤には残らないだろうからきちんと書き記しておかねばならない。首筋に手を突っ込むのは流石にやりすぎだと思うよル・バさん…

フーシェが奥の方でサンキュロット女に日替わりで料理の皿持って話しかけたり(これは結局1度しか見れなかったけど)デムーランの新聞読みながら話しかけたり、新聞持ってんのに広げもしないで世間話してたり。

・バラス(日向春輝)とビョーが上手テーブルでいつもサンキュロット女のあゆみねーさんと絡んでるのも地味に気になってはいた。

・スッとジャコバンクラブに入ってくるマリーアンヌに気付いたフーシェとフレロンの「見ろよ、あの女!」から始まるマリーアンヌへのウザ絡み、それに気付いたマクシムたちが助けに来る場面、サンジュストがマリーアンヌを「こちらへ」って上手へ案内してるんだけどあれって別に正義感からではなくて敬愛するマクシムが彼女を助けようとしたからなんだよなぁって観劇数回目くらいに気付いて、サンジュストって役が本当に恐ろしい。

フーシェの「いい気になるなよ!ロベスピエール!」で今自分を助けた男こそが殺そうとしていた男だと気付いて彼の元に走り寄るマリーアンヌがフレロンを突き飛ばすんだけど、最初は軽く押す感じだったのにどんどん力強くなっていって最後の方は全力でフレロン突き飛ばしてたの控えめにいってマリーアンヌちゃん強すぎて最高、強い女は大好き。

フーシェとフレロンを追い払うダントンのハッ!て感じでの念飛ばし…衝撃波?フーシェとフレロンを追い払った後にマクシムがダントンの真似してモーリスに衝撃波真似して打ってモーリスが仰け反って「腰痛い!」ってなってマクシムが「すまない!」って感じになってた回があったり、ダントンに「さっきのあれどうやったんだ!?」ってキラキラの瞳で訊いてダントンが「まずこうやって〜」みたいな感じで教える回があったり、2人して元気玉作るみたいに手をモニュモニュしてる回があったり、お互いに衝撃波打ち合ってのけぞってる回があったり、あそこのマクシムダントンのやりとり最高可愛い。映像撮ってる日のやつは全部収録して頂きたい気持ちでいっぱい。

・マリーアンヌを送って行けっていうダントンに何で!?っていうマクシムにダントンが言う「大臣命令だぁ〜!」、マクシムが仕方ないって顔して「分かった」って言った後にデムーランが真似して「だいじんめいれいだぁ〜」っていうやりとり、最初の数回はやってなかったんだよね。いつからか毎回やるようになった。1/20前後くらいからはレギュラーセリフになった気がする。

千秋楽は

「大臣命令だぁー!」「どうして…!…わかった。」「だいじんめいれいだぁ〜!」「似てないよっ!」

初めてマクシムがデムーランにつっこんだの大変可愛くて良きでした…。

革命三兄弟の仲良しが可愛ければ可愛いほど本当に楽しくてつらい。何と言うシーンだよここは…(思い出しただけでつらい)


◆第4場 パリの街角・夜

・舞台下手方面から上手方面にサイラを歌いながら歩いてくるサンキュロット3人組、上手で一回止まってはけてく時の小芝居毎回違った。お酒を飲みながらだったり、決めポーズ揃えたり、ビシッと気をつけしたり、あれもきっと毎回楽屋とか袖で「今日はどうするー?」ってゆるく打ち合わせしながらやってたんだろうなぁ。

・あのサイラの歌詞が、「貴族を殺せ!高く吊るせ!」的な歌詞と言うことを公演中に調べて知って、貴族出身のマリーアンヌがいくらマクシムに連れられているからってあの暗いパリの街中を歩くことはどれほどの恐怖だったよ、と考えてしまうシーンである。

・有名なマクシムに引き換え、私はただの…ただのシトワイエンヌです、というマリーアンヌの心情、察して余りある。全くもってただのシトワイエンヌなわけないし、自らの仇と同じ名前を名乗る苦しさと来たら。「ただのシトワイエンヌです」っていう時目が泳ぐマリーアンヌが好き。

・帰りますって一度言った後に、あっ…って顔をして「送って行ってくださるのではなくて?」って話しかけるマリーアンヌの頭の回転の速さがとても好き。彼女は貴族のお嬢様だけど、その後の歌詞にもあるようにこの暗いパリの街角でマクシムを殺せるチャンスを自分は得ているって気付くその瞬間のマリーアンヌが好きだし、来た道を戻るように歩くマリーアンヌにえっ、あっちじゃないの?そっちいくの!?してるマクシムも可愛くて好き。

・この場面の背景で娼婦が道行く男に絡むんだけど、毎回うきちゃんが叶くんにお呼びじゃねーんだよ!ってばかりに派手に投げ飛ばされているのを見るのが好きだった。結局その後マクシムとマリーアンヌが歌うシーンで2人がっつり組んで踊ってるんだけど、叶くんの足元からスカートをたくし上げるように手を沿わせて上げていく振りがめちゃくちゃエロくて大好きだった。荒々しいんだよね叶くんの愛し方。ダンスの時のガツガツ感も好き。よく言えばワイルド。

・♪月明かりに閃く刃の強い光に 魂さえ売り渡してもいいの

そう歌うマリーアンヌの強い瞳があの暗いシーンでピンスポ浴びてキラッとするのが好きだった。

・マリーアンヌが上手セット前で暗殺を決意する歌詞を歌っているその時マクシムは下手セット前で娼婦3人にめちゃくちゃ絡まれてて「いや私はそういうのはいらないんだ」「やめてくれ、いらないと言っているだろ」みたいに翻弄されてるのも死ぬほど好きだった。もうどっちが主演男役かわかんないなってくらいのマクシム姫プレイ(その1)だなって思いながら毎回見てた。すみません。

・手に持った短剣を隠しつつマクシムに近づくマリーアンヌを見つけた瞬間のマクシムのちょっと安心した顔と、「なんだ、女連れなの?残念だわ!」みたいに去っていく男前娼婦3人組…好き…

・マリーアンヌは2回マクシムを殺すことに失敗するんだけど、刺し損ねた時にあぁっもうっって顔をしながら着ているコートの中に短剣を隠す時の仕草がとても好き。

・2回目刺されそうになった時に台車に轢かれそうになったマリーアンヌをかばうマクシムの顔の近さがちょっと尋常じゃなくて、マクシム一応童貞設定なのにその近さはどう考えてもおかしい。女に慣れてない男がその至近距離で今日初めて会った女に近付けるわけないだろ…

・名前を教えて欲しいとマリーアンヌに言うマクシムの「自由とは他人を害さない全てを成しうることだ」も、ラスト1週間でだいぶ言い回しが変わった。「なし得ること、だ」って明らかに句点が入るようになった2/6以降。

マリーアンヌが「名乗らなければあなたに危害を加えたことになるって言うの?」って問うた時にマクシムが言う「あぁ」も、2/4以前以後で全然変わったんだよね。それ以前はもう少し軽めに言っていたのに、それ以降は心からそう思ってるさ!みたいな力強くタメ気味の「あぁ!」になった。控えめに言ってがっつきすぎである。でも後期のマクシムの「あぁ!」が好きだった。もうこの時点で自覚のない恋をしているのがストレートに伝わって来て。大劇版はどう頑張ってもラブストーリーではないひかりふる路なんだけど、東京版後期はこの時点でもう既にラブストーリーとしても走り出している。ここでマクシムを殺せなかったマリーアンヌの苦悩や迷いにしても、東京前期に比べ中期、中期より後期で場面の色が全く変わっていったこと、本当に驚きとしか言いようがないくらいの変化だった。


◆第5場A ダントンとジロンド派(ロラン夫人のサロン)

・このシーンでテーブルに足を乗せるダントンの足が長すぎて遠近感がよく分からない…足が長い…

・ここでもダントンが飲んでいるワインは赤。

・ロラン夫人がムンムンしていて大変素晴らしい。ロラン夫人の「どこへやったの?」の言い方が個人的に大変エロくて好きでした。

・胸元からダントンが資金を横流しにした証拠の紙を取り出すロラン夫人の胸元のマイクにたまにカサカサって音が入る時があって、その音が聞こえたら翔くん疲れてんのかなってちょっと思っていたりした。

タレーラン殿下がきて慌てふためく一同、「お前はジャコバン派を抑えることもできなかった!」と叫ぶピエール(まちくん)をダントンがぐっと襟元掴んで払いのけるシーンの後、ピエールがいっつも物凄い勢いで咳き込んでいてあの程度襟元掴まれたくらいでそんな咳出る!?っていつも思っていたけどダントンは声も大きいし力も強かったのかな…

タレーラン殿下がダントンを脅すというかそういう感じのシーンで杖をダントンの脚にパンっと当てるんだけど、前期は膝上〜太もも、中期は金的くらいの位置、後期は大体太ももだったんだけど中期の位置が脅し的には個人的に好きだった。


◆第5場B ダントン夫妻(ダントン邸)

・ガブリエル(朝月希和)がダントンを迎える時のお芝居が結構違うっぽいことに気がついたのが中期以降だった不覚。2/10のソワレが特に良かった。泣きそうな声で言う「怪我なんかしたら…ぶん殴るからね!」からダントンへの想いが溢れ出ていてその後のキスシーンのダントンの包容力ったら。

・「みんな仲良く飲んで食えたらそれでいい」というダントンの台詞も、中期以降…特に新公以前と以後で切実さというかが段違いになった気がしている。全体的に新公後の間やタメがいい感じに叶くんから影響受けたんだろうなっていう感じ。


◆第6場 世界が燃える(パリの街角〜国民公会〜戦場)

・新聞売り(諏訪さき)の声も歌も大好きだったんだけど、ここのアンサンブルも中期以降の圧と熱が凄くて、特に千秋楽近くはこの人数でこんな圧出る!?っていう感じだったことをしっかり覚えておきたい。

・サンキュロット男のうえんつの顔面の主張が激しくて、なんで前期あんなにうえんつ見つけられなかったんだろう…中期以降特に探してもいないのに目に飛び込んできていたのを考えると…。新聞を受け取って周りのみんなと「なんてこった!これ見ろよ!」的な小芝居をしている彼のことを眺めるのが割と好きでした。

・サンキュロット女の羽織ちゃんがとてもいい位置にいるので映像に残ってくれてありがたい。手足が長いので腕を伸ばしてグッと掴むみたいな振りのところの格好良さがすごくて好きでした。

・サンキュロット女やってる娼婦三人組の中でも特にうきちゃんがちょっと尋常じゃないくらい物理的に強そうで、オペラのぞいてて飛び込んでくるとびっくりする。大体どこのシーンでもそんな感じだったけどなんであんなに強そうなのだろう。

・♪世界が燃える

で盆が回って国民公会になるシーンで下手最上段にいるクレール(早花まこ)がマリーアンヌに毎回ではないけどたまに話しかけていて、ちょっと気になっていたりした。何を話していたんだろう。

・上手最上段1番センター寄りにいるオランプ(舞咲りん)がこの場面中ずーっと議会での議論に対してものすごいリアクションをとっていて、2/4だか2/6の時にダントンとマクシムが戦争についてやり合ってる時に「本当に男どもはこんな議論をするばかりで役に立たない!!」みたいにすごくイライラしながら指で手すりをトントントントントントンずーっと叩いていて、ダントンの

♪理想よりも現実を見るべきだ 敵軍はパリを目指してる

の辺りで怒りが爆発した感じになっててそういうとこ好きだなって思いながらみていたりした。オランプたちもやっぱり毎回感情が違ったみたいで、みんなのことをもっとしっかりみたかったなって終わってしまった今でも思う。大体怒りが大きかったけれど。

・マクシムの

♪人民を犠牲にするなんて 過ちを犯してはならない

のところの「なんて」の部分のつまり具合からの「ならない」の伸びやかな声がすごく好きだったし、マクシムがそれを言った瞬間に「あの人は今なんて言ったの?」って耳を疑うような顔をするマリーアンヌも大好きだった。マリーアンヌの揺らぎはこの辺からもう決定的に始まっていて、前期はそこまででもなかったけど中期以降はここの表情が格段に良くなったと思う。

・後ろにいるジャコバン派ジロンド派議員の皆さんもダントンとマクシムのやりとりにそうだ!とかまちがってる!とか細かく細かく反応していて良かった…

・下手銀橋でのタレーラン殿下とロラン夫人のやりとり、いつも殿下が夫人の顎掴むので「顎はやめてあげてよ!気持ちはわかるけど!」みたいになっていたりした。

・ロラン夫人の「次は…何をなさるの?」の腹に一物抱えていそうな言い方が大好きでした。尋常じゃないエロさでした。

あとロラン夫人の谷間が一番見やすいのがこのシーンだったんですけど、初期はともかく中期は盛り方がすごくて、後期はキレイめに落ち着いたけれどグラマラスな谷間だったので後期このシーンでロラン夫人の谷間見るのが本当に好きでした。ご馳走様でした。

・生田先生に申し訳ないんだけど、「世の男たちが留守の間にすることといえば」とか「私、もう我慢できそうにありませんわ」がエロすぎて普通にNTRじゃんって思いながらずっとこのシーン見てました。最低。

・ブランシュバイク公(カリ様)のダンスキレッキレですごく好きだった。

プロイセンオーストリー連合軍に優美せりなちゃんが混ざっていたのに気付いたのが千秋楽前日でもっと早く気づきたかった。連合軍ほぼ娘役から構成されてるんだよね帽子で顔が殆ど見えないから気付いたところで、という感じではあるけれど。

・フランス兵うえんつ、本場面で2回目の死。倒れる瞬間に目を見開くところが好きだった。あとフランス兵のかりあんかっこよかった。まぁ帽子被ってるから顔ほとんど見えないんですけど立ち姿とかが。


◆第7場 ポン・ヌフ

・暗転橋せり上がりで照明着く前に自分の位置に立ちに行く望海さんの影からガン見するのが好きでした。照明ついてひっそり後つけてきたつもりが普通にマクシムに見つかって「あっ」みたいになるマリーアンヌも可愛い。

・マクシムの「傍聴していても…私に会いにきたりはしないんだな」が初期は割とあっさりめの台詞回しだったのに、公演進むにつれて「こんなに議会傍聴に来てんのに私に会いに来ないの常識的に考えておかしくない?」みたいな言い回しになっていったの面白くていつもニヤニヤしてしまっていたけどそういう場面ではない。

・「あなたが戦争に反対だなんて、意外だったわ」のマリーアンヌ、初期はポンポンとセリフをただ繰り出している感じで正直新公の方が良いなぁと思うくらいだったのに、新公ビフォーアフターで戸惑いが加わって本当に意外だと思っている感じがとてもよく出るようになっていて、進化が見えやすいシーンだったと思う。

・同じように「惨めなものね」辺りの台詞も、円盤はハッ!と笑い飛ばすようなというか…やたら強気な感じだったのに東京にきて全く意味合いが変わってきていて、特に後期はニュアンスも含めてすごく良くなったと思う。

・耐えるだけで精一杯なマクシムの、本当に耐えるだけで精一杯感最高。耐え忍ぶ望海風斗はそれだけで美しいので。

・マクシムが革命を終わらせない!って語気が強くなるところ、その日のマクシムのコンディションによってマリーアンヌの色が変わるので毎回見ていてとてもドキドキする場面だった。いつだっけ…1/20か1/27だったと思うけど、すごく強い日があってマリーアンヌがすごいビクッ!!として後ずさった日が一度あって、その日の2人が好きだった。マクシムの革命に対する気持ちの強さがすごくよく出ていて。そういうところを目の当たりにするからマリーアンヌも仇と思ってきたはずなのに「私にはあなたが分からない」ってなっちゃうんだよね説得力すごいあったよ…。

・理想と願い、ナンバーも優しい曲で大好きなんだけど、この曲を歌い始める時のマクシムの声がすごく優しくて好きだった。特に2/4はもうどうしたのってくらい優しくてあの日の記憶が薄れていく今が悲しいくらい。

・後ろの農夫たちのまちくんが意味わかんないくらいかっこよくて、公演中期からまちくんの奥さんがせりなちゃんだと気付いてからはマジで天国でしかなかった。子供と奥さんの肩を抱くまちくん…お父さん最高。

・♪大地踏みしめ生きる 理想の暮らし

のところでマクシムが舞台中央の台車のところにいる子供に絡みにいくんだけど、頭わしわししてたり、頬を優しく手で撫でたり、肩ポンしてたり、ブドウもらったり、絡み方も毎回違って、頭わしわしがすごく可愛くて好きだったしマクシムが本当は優しい人だとあの場面だけでも伝わるしあんな「理想の暮らし」見せられたらマリーアンヌもそりゃあ…って毎回なってた。

・理想の暮らしでマクシムがマリーアンヌの手を成り行きで取ってお互いに「あっ…」って感じで手を離すところもどかしくて大好きだった。もう2人とも愛することを止められなくなってるんだよなーお互い無自覚だけどーみたいに見えて…マクシムは何も知らないからいいけどあのシーンマリーアンヌの感情がどんどん変わっていくのを毎回見せられるからこっちの感情も忙しくて。

・雷が鳴ってマリーアンヌがマクシムに抱きつくところも、その日の感情で全然違って。一番好きだったのは1/20の、マリーアンヌから結構勢いよくマクシムに抱きつきに行った日。小さいけどマイクが「キャッ!?」って声を拾ってたのでドキッとしたし、マクシムもハッ!て感じでマリーアンヌ抱きしめてたので。後期は雷の音が鳴る前からマクシムが半分マリーアンヌ抱きしめ態勢に入ってたので(腕の広げ方がハグ待ち感あったんだよ…後期のマクシムはこの時点で完全にマリーアンヌ大好きだった)ここのマクシムは中期くらいの自然のアクシデントでマリーアンヌを抱きとめる感じが好きだった。

・♪自然は人を隔てはしない 人が人を区別するのだ

のところ、センターのマクシムとマリーアンヌをオペラで見ると真後ろにいる農夫のまちくん家族が入り込んできてて神アングルだった。「雨かよー」みたいなのいつも言ってるの見えたから、ああいう小芝居も大変雪組的で宜しいです。

・後ろに再登場するマリーアンヌの家族たちとフランソワ(婚約者)、ここで母のヒメがいつも優しく「マリー」ってマリーアンヌに声をかけているし、マリーアンヌがフランソワに近付こうとするとフランソワが首をそっと横に振るのも大好きだった。君はもう僕たちのために生きなくていいって言ってるみたいで。千秋楽は気付かなかったんですけど(そもそもカメラに抜かれていたのかもよく覚えていない)フランソワが「ありがとう」ってマリーアンヌに言っていたみたいで、そんなのさ…もう無理じゃない…?

・下宿先のデュプレ家で家族観察してることをドヤ顔で話すマクシムめっちゃ好き。公演進むごとにどんどんドヤ度が増してきていたし、あの単眼鏡覗き込むようなジェスチャー含めて可愛い。可愛いけど冷静に考えると「誰もが皆幸せに生きる理想の暮らしの為に、自分が知らない家族愛というものを観察している」とかいう状況普通に気が狂ってるし真面目が一周して変人でしかないし、お前そういうとこだぞマクシム…そりゃマリーアンヌも冗談はやめてってなるわ…

・「それは幸せな例外だ」の言い方も勢いがある時と優しい時があったなあ。後期は大体優しかったなぁ。語りかける感強くなった。笑うマリーアンヌを初めて見た時のリアクション、ほんの少し首を傾げて一拍間を置いてる感じが好きだった。それを言われたマリーアンヌが少し困った顔になるのも好きだった。

・♪ただ君の笑顔だけでいい 他に何もいらないと思える

って歌う時のマクシムの「私は何を言っているんだ…」っていう顔が自分でも毎回感情をどこにどう持って言ったらいいのかわかんないくらい好きだった。

・♪過去に別れを告げれば 罰が下るわ

と歌うマリーアンヌの歌い方、感情の乗せ方、2/4を境目にもう完全に別物。2/4が本当に最高すぎて「今」で初めて号泣したのがあの日だったから忘れることはできない。掠れた声で泣きながら「罰が下る」って歌うマリーアンヌが苦しくて、初めてあぁ、この曲ってこんなに苦しい曲なんだと思えたんだよな…。逆恨みと理性では分かっていながら、されど愛する人を奪った革命の象徴であるロベスピエールを殺さなければならないんだと4年間苦しみ抜いてようやく彼にたどり着いたのに、仇であるはずの彼にどうしようもなく惹かれてしまっている彼女の心の苦しさ、あの日を境にどんどん突き刺さるようになってきて。それでそんな状況を知らないマクシムがまた

♪罪を分かち合い 罰なら共に受けよう

とかいうじゃん…この世の地獄でしかない…

・♪壊れる世界で生まれた 愛の行方求めて

のところの向かい合ってだいきほがブレスからタイミングから最後の音までしっかり合わせてくるところが大変好きです。

望海さんの、歌っている時に胸部から腹部から全部開いてるみたいに歌うところが大好きで、1人で歌っているシーンよりとりわけ真彩ちゃんと向かい合って歌っている時の胸の開き方(ブレスすると腹部から胸部が見てわかるくらいに動くんですよあの人)が大好きでだいきほデュエットの時ほぼ望海さんアングル…最高の極み…

2/4の話ばかりして申し訳ないんですけど2/4の「今」が良かったところは真彩ちゃんが思うように声が出ないので望海さんが真彩ちゃんの目を本当にしっかり見つめながらバランス取って声を出していたところで、でも別にすごく抑えていたわけでもなく、優しく包み込んで引き上げるように歌ってたんだよね…そしてどういうわけだか1人で歌うより向かい合って歌う方が真彩ちゃんも声が出るものだから、強弱のメリハリがすごくて。優しく入ってどんどんクレッシェンドしていく

♪2人で(2人で)未来へ

ものすごい鳥肌ものだった…この記憶も薄れていくけどこういうことがあった事実だけは絶対に忘れたくないからちゃんと書いておく…

あと2/4は真彩ちゃんがロングトーン伸ばしきれないところも望海さんがしっかり伸ばしきって歌っていたんだけど、2/7は見つめながらアイコンタクトして真彩ちゃんの声が伸びるところまでで望海さんも伸ばし合わせて止めていたから、毎日毎公演あれだけ舞台に出てるのにその気遣いの有難さに泣いたし、望海さんは神様だと思った。

・7場ラストで上手袖にはけていく時、マクシムがマリーアンヌの腰の辺りに初見時手を回していたような気がしたんだけどあれは幻だったのかな…その後は一度もそういうことはなかった…。あそこはける時にいつもマクシムがマリーアンヌに色々話しかけているけど、あの内容もきっと日替わりだったのだろうなあ…。


◆第8場 新しい生活(ルノー印刷所〜街角〜ダントン邸)

・♪いつでもどこでも季節は過ぎ行く

イザベル(愛すみれ)のこの場面転換の歌、1/13だっけ?1/20?くらいから1月後半くらいまで結構喉がしんどそうで声枯れたりしてて、愛すみれちゃんほど歌える人でもこの公演大変だったんだなぁと思った記憶。

ルノーの印刷所の印刷工4人の中で汐聖風美くんがマリーアンヌへの食いつきが特に激しくて、マリーアンヌが来た時に「えっなんか可愛い子来た!」みたいな顔してるの好きだった。

・マクシムがルノー夫妻にマリーアンヌを紹介する時にデムーランが「僕の新聞も頼んでるんだ!」って食い気味にいくとこらでリュシルが「あなた」って言ってデムーランを止めるんだけど、「だめよ、今はマクシムがマリーアンヌを紹介しているんだから」みたいな感じで姉さん女房みたいにめっちゃ落ち着いて優しい奥さんみ半端なくてここのリュシル大好きだった。デムーランも「あっそうだよねごめん」みたいな反応してるし、学年差12もあると思えないくらいみちるちゃんがお姉さんでほんと好きだったデムーラン夫妻…

ルノー(にわさん)の「今日からは、家族だ」の言い方が優しくて、マリーアンヌの頑なな心が溶けて行くのが分かる場面で好きだったし、2/4の時に前の場面の「今」でマリーアンヌがボロ泣きだったんだけどこのシーンで「家族だ」って言いながらルノーが指でマリーアンヌの頬の涙を優しく拭ってくれててもううわああああああああみたいな感じだった…

・「自由ってのはね、自分の人生に責任を持つってことさ!」のルノー夫人(みとさん)がガッツポーズみたいなポーズをする時にタイミング合わせてガッツポーズするルノーが本当に大好きだったし、この作品に出て来る夫婦はどの組み合わせもみんなそれぞれにキャラは違うのにあったかくて良かったなあ。

・リュシルに連れられて街に自分の自由を探しに行くマリーアンヌを印刷工4人が「俺たちも一緒に行きたい!」とばかりに仕事投げ出して覗きに来てルノーに「何やってんだ戻れ!」されるシーン可愛くて好き。前期はここのルノーのマイク入ってなかった?小さかった?んだけど後期は割としっかり「戻れ」が聞こえるようになったの良かった。

・女性革命家とマリーアンヌたちのシーン。オランプ(ヒメ)が言う「また随分頭の中身の古いお嬢さん連れて来たねえ!」の言い回しが大好き。ここは雪のお姉様方が次々出て来てはマリーアンヌに女にも自由はあるって言うんだけど、このシーンはひかりふる路において唯一の救いみたいなシーンでほんと好きだった…ずっと好きだったけど2/4に一度ここで泣いてからもうその後の観劇はずっとここで泣いてた。

オランプの「明日は今日よりいい日になる!」で2/4にオランプがマリーアンヌの頬の涙を拭いてくれてからもう完全にそこのセリフが決壊ポイントになった。

・マリーアンヌが銀橋に入る前に女性革命家の皆さんが配っていたビラをギュッと胸に抱くところ、千秋楽ライビュで「大丈夫」だと思うんだけど口が動いていてもうアァーーーー!!!

・♪新しい人生が今 この街から始まるの

ここのソロも大好きで、2/4の時はこの場面の後ろでマリーアンヌを見つめる女性革命家の皆様が本当にあったかくて、オランプも「頑張れ」って多分言ってくれてて、最高オブ最高。2/4以降でもここでマリーアンヌが泣くことは何回かあって、あんなに絶望した彼女が前を向けるシーンで、歌い終わりのマリーアンヌは微笑んでるんだよね。だからこそせっかく前を向いたこのシーンの後の辛さがのしかかって来るジェットコースター仕様。

・ガブリエルが亡くなるシーン悲しいんだけど、このシーンでガブリエルを看取るのがリュシル、デムーラン、シャルロット(マクシムの妹/野々花ひまり)で、シャルロットがすごい悲しそうな顔してて、そういうところからシャルロットもこの後の展開すごい精神的にきついんだろうなぁって。

・ダントンの、息を引き取ったガブリエルに対しての「一人にしないでくれ…」は東京から追加のセリフなんだけれど、これがあるのとないのとでは雲泥の差だし、このダントンの悲痛な声がたまらなかったな…。ダントンはまだこの時点ではマクシムたちも仲間なのに「ひとりにしないで」って言うんだよねガブリエルの亡骸に…。なんか色々この先に起こることを、予見してんのかなぁと思ってしまう…。

ジャコバンクラブに向かうマクシムにコートをかけるエレオノーレ(星南のぞみ)、初期は物語の世界から現実に一気に引き戻されるレベルの棒だったんだけど後期には本人比とはいえちゃんと伝わる言い回しができるようになっていて成長が本当に嬉しかった。歌も最初は消える高音だったけど最後の方はちゃんと声が出ていたし、このまま成長してほしい…。

・それはそれとして、マクシムにコートをかける時にいつ何時見てもコートが擦れてガサガサ音が入ってしまっていたのは本当に残念だった。もう少し気をつけて欲しかったなあ。

・恐らく雪がちらついているほどの寒い日だということがすぐ分かる望海さん…マクシムの空を仰いで手を差し出す仕草が好きだった。

・マクシムがジャコバンクラブに向かう途中に後ろの紗幕が上がってジャコバンメンバーが机に紙を広げて何か言っているところ、後期くらいになって突然「マクシムに相談しましょう」って音声をマイクが拾うようになって、臨場感上がって良かった。


◆第9場 ジャコバン・クラブ

・この場面のアンリオ(縣千)の熱さがとても好きで、華があるなぁ!といつも見てしまっていた。アンリオくんとても良いキャラ。

・ダントンが裏切ったと言われて「そんなことはあり得ない!」って机の上に散らかった資料を次々手にとって眺めては項垂れていくマクシムに対するサンジュストがこの辺から輝き出してスゴツヨ。ここで椅子に座ったまま斜め前を見て項垂れるマクシムの前髪が天才。最高。

ジャコバンメンバーに次々と貴方しかできない、って言われたマクシムが半分虚ろな目で

♪見捨てられた革命を私が救おう

っていうところ、中期の頃はかなりしっかりした強いマクシムで、この辺からあまり揺らぎがなくて、

愛する人を守るために 戦い続けよう

のところでもう絶対この革命を私がなんとかする!って意思をしっかり感じたことが多かったんだけど、初期はこの辺まだ姫マクシムで迷いとかが多々あって、中期を経た後期は「私がしっかりしなければ」という意思は感じるもののまだ揺らぎのある感じで、後期のマクシムが一番好きでした千秋楽が本当に最高だった。

・その後の銀橋の歌も初期はもう吹けば消えそうな姫マクシムで私は姫マクシム大好きだったので初期マクシムに萌えまくっていたんだけれど、サンジュストもまだそこまで激しくなくてその後のエスカレートを思い出せば初期は全然薄かったなって…今思うと…。公演走り続けているうちに明らかにマクシム強火担サンジュストスイッチが激しく入るようになっていったものな…。後期、銀橋でマクシムバックハグする辺りなんかすごい顔してるサンジュスト。中期の頃は怒りが強めだった印象なので、

♪信じた友に裏切られて ひび割れた心が 怒りと憎しみに震え狂ってゆく

の辺りからかなり怒りが爆発してて苛烈だなぁと(1/20〜1/27辺りなんかもうほんと激しくて強かった)思い出せるのだけど、ここのマクシムの感情のグラデーションが見るたび色が違って新鮮だったな。

後期、特に2/4なんだけど、ここから恐怖政治につながる場面だからここのマクシムの感情がぐちゃぐちゃであるほど恐怖政治のぐちゃぐちゃにも繋がっていくので、グラデが混ざってマーブル模様みたいになった2/4のあのマクシムとジャコバンメンバーとアンサンブルの熱は忘れたくないなあ…。

・アンサンブルのみんなの真ん中で一際アツいアンリオくんの怒りに満ちた表情信じられないくらいかっこいいあれで101期生とか信じられない。

・「共和国を裏切ったジロンド党員たちだ!」を言い切った後のマクシムとサンジュストのアイコンタクト、サンジュストが「貴方はそれでいいんですよ」って顔してるの最高に恐怖。


◆第10場 国民公会

・蜂起した市民たちが雪崩れ込む国民公会、演説台の上にいるダントンの「マクシム!?なにをするんだ、やめろ」っていう言葉も公演前期はマイクが入ってなくて聞こえなかったのに後期割としっかり聞こえるようになって、ルサンクに載ってる台本に書いてある台詞ではないものだけれどそういうのが聞けるようになったことですごく良くなったと思う。

・ここでデムーランがマクシムとダントンをずっと悲しそうな顔で見てるのに心が痛くなるんだよね…

反革命の容疑で逮捕されるジロンド党員の皆さんと共にいる国民公会議員の100期生3人、ここで連行されてるのに後のシーンでジャコバンクラブで普通に出てくるからいつも「捕まってんのになあ…誤解が解けて釈放されたんかなぁ…」ってなってた。

・ダントンに嬉しそうに裏切りの証拠を突きつけるサンジュスト、明らかに動揺した声で反論はあるか、と問うマクシム、ないな!と答えるダントンに更に狼狽えるマクシムとかいう割と地獄のようなシーン。

ダントンの精一杯の釈明(事実)をマクシムに信じてもらえなかった時の「信じられないか…そりゃあ、そうだな!」が初期はもう軽くて軽くてもう少しさあ!何とかさあ!マクシムに言ってやってよ!!みたいになっていたんだけれど、中期くらいからタメを覚えて、新公後には本当に悔しそうに「信じられないか……」を言えるようになってほんっと進化がすごかった。仲良くやっていけると思っていた友に信じてもらえなくて傷付いて、悔しい気持ちを噛み殺しての「そりゃあ……そうだなぁ!」、見るたびに心が痛くて。

・ダントンを逮捕はしない、っていう時のマクシムの目の泳ぎ方が好き。逮捕しないことに色々理由を言うけれど、結局ダントンを信じたいってこの時点では思ってることが多かった。明らかに動揺しているし、この時点ではまだ戻れそうな気配すらあったのに。

・ダントンがマクシムに辞表手渡すシーンも、差し出された辞表を力なく受け取る日もあれば奪い取るようにする日もあったし、ダントンがマクシムの胸元に力強く押しつけるように辞表叩きつけてマクシムがそれをそのまま手で押さえるみたいな日もあった。個人的には中期の辞表をバッ!と奪い取るように取り上げるマクシムが激しくて好きでした。中期の苛烈マクシムの激しさ、今となっては貴重だったなって…。

・出て行くダントンを目で追って、一緒に出て行くものすごく悲しそうなデムーランに何かを言おうとするもなにも言えず「理想が無力だと…」ってなっちゃうマクシム、まっすぐすぎて悲しい。後期はここのマクシムもなんかなんとも言えない顔してたんだよねいつも。

・大劇版から随分と台詞が増えたル・バにより恐怖政治への導入違和感無くなっていて円盤見るとコレジャナイってなるんだけど、「恐怖は人を狂わせる!」って言ってるル・バの表情と、それを制すサンジュストと、一連のやりとりを聞いて恐怖なんてものに希望を見出してしまったマクシムのピコーン!って顔、どれも全て緊迫感も表情も素晴らしすぎて全部見たいし目が足りない。特にマクシムはその前のダントンとのやりとりで明らかに精神すり減ってる感じあったから余計に迫る感じがあった。


◆第11場A 恐怖政治

・恐怖政治の場面好きすぎてここほぼマクシム固定オペラだったのでマクシムの話ばかりします。まずお立ち台の上で「断罪である!」って腕を広げて空を仰ぐマクシム、下から見ても上から見ても下手から見ても上手から見てもセンターから見てもどの角度から見ても最強に完璧。あんな完璧な角度ある?望海さんもそんなことある?あんな完璧に美しい角度の望海風斗今後見られないかもしれないそのくらい美しかった。伝わらないと思うけど私にとってそのくらい完璧でした。

・♪光を遮る雲を断ち切る刃が 汚れなき理想の世界へ我ら導く

ここの転調がもうとにかく好きで、毎回血圧上げながら興奮してた。

・マイ初日と2回目までのマクシムはここほんっと姫マクシムで、私恐怖政治の姫マクシム大好きだったんだけども、自らが発した「恐怖政治」っていうものが正しいのか、この時点でまだものすごい迷いがあって、でもジャコサーの皆や民衆はもう完全に恐怖政治の熱に侵されていて革命の敵を探して捕まえて互いを疑って…という世界を作り始めてしまっていて、それを誰よりも高い場所で見ているマクシムの感情のグラデーション…革命を推し進めたい気持ち、こんなこと間違っているのでは?という迷い、これで革命は救われるという思い、それでも目の前で守りたかった民衆たちが互いを傷つけ始めている恐怖、そんな感情が次から次へと押し寄せてきていてそれはもうひどく萌え…あんな顔としか言えない顔してたんですけど。そこからの最初の連行対象への手振り(連れて行け!の合図)のあの顔が今思い出してもドキドキするくらい好きだったんですけども。

中期…1/20〜2/4くらいまでは比較的強いマクシムで、ここあまり迷いが…全くないわけではないけど少なくて。これでいい、これで革命は救われる、そういう顔してて、でもサンジュストと民衆の

♪革命歯向かう いのち断ち切る刃が

の辺りでやっぱり前期ほどではないにしてもあんな顔するんだよな。中期マクシムの恐怖政治、一回すごく…ずっと気が狂ってしまったかのように笑ってる日があって、あの日のマクシムは本当に怖かった。前期見てたマクシムとあれは全く違う人だった。お立ち台の上から民衆を「そこだ!」みたいに指さす振りのとこなんかも笑ってるんだよねずっと…壊れてしまったみたいで見ていて辛かったな。怖かったし。

後期のマクシムは前期と中期のハイブリッドで、確固たる意志と正気をもった上で恐怖政治を進める革命の指導者、でも自分がしていることを目の当たりにした時に揺らぎが見える…みたいな役作りでこれがね…これが最高だったんですよ…特に2/6ソワレ…。あんなに強そうに見えるのに、ふと優しい理想を追い求めるマクシムの顔に戻った時の、風に揺れる炎のようなあの不確かさ。見ててゾクゾクした最高の極みだった。千秋楽のマクシムも大変良かったんですけど、恐怖政治は2/6ソワレのマクシムが2/4,2/11についで記憶に残っています。不安定な揺らぎ系望海風斗最高。ありがとうございます恐怖政治に感謝しかない。

・民衆を結局大して見られなかったんですけど、この場面で女性革命家の面々が「革命の敵」を探して突き出すのを見てつらい気持ちになった…彼女たちもまた自由のために革命を望み、革命に飲み込まれた一市民だという事実重すぎない…?オランプがね、迷うような顔した時があったんだよ。何が正しいかなんて熱に侵されているその瞬間に正しく判断できる人間なんて多くないもんね…悲しいよね…

・マクシムのためならこの手がどんなに汚れようと構わないサンジュストが本領発揮てるこのシーン、すごい冷たい目をして民衆追い詰めると思えば

♪あの人が 我ら導く

って歌ってる時のあのキラッキラの瞳よ!!!あなたの後ろでお立ち台の上のマクシムはものすごい苦悩だか混乱だから恐怖だかわかんない顔してるのに!!!サンジュスト本当に怖い、それを演じている朝美絢の底力がヤバい。

・2階席のセンター若しくはセンター寄りから見ると、お立ち台の上に立っているマクシムの影が後ろの壁に綺麗に照らされて写っているのが見えて、それも(鳥籠の照明とはまた別に)マクシム(の影)が囚われているように見えて好きだった。光の効果もすごい大きい赤みがかった本舞台の照明の中で後ろの壁のマクシムの影は真っ白なピンスポに抜かれて写ってるのよね…。

・これは千秋楽後にツイッターで知ったんだけど、マクシムのお立ち台の手すりのところにハゲた跡がある(爪痕がある)っていうのを、千秋楽のスカステニュースで見たら本当にマクシムがいつも握りしめている場所がハゲハゲになっていて、あのナンバーすごいマクシムとして望海さん生き抜いていたんだな、あんな手すりがハゲるほど爪を立てて握りしめて毎日あのナンバーを歌ってたんだなって思うと心の痛さがすごい。


◆第11場B ロベスピエールの執務室

・恐怖政治のナンバーが決まった後お立ち台にもたれかかってるマクシムのところにマリーアンヌがきた瞬間のマクシムの反応も、単純に嬉しそうな時もあれば、少し戸惑いというか…こんな自分を見られたくないのかな?みたいな日もあって、日替りマクシム奥が深い。中期は割と普通に嬉しそうな時多かったな。本当にもう少しで革命が達成されるって思って(思い込もうとして?)いたから、きっと彼女もそれを喜んでくれるはずだって思ってたマクシムの日が多かったから。

・初期のマリーアンヌはこの場面そんなに戸惑いの感情が上手に出しきれていなくて、だんだん良くなっていったんだけどやっぱり2/4以降は比べ物にならないほど良かったな…「こんなこと望んでいない」っていう戸惑いや悲しみが身体からちゃんと溢れ出るようになっていて。

・それに応えるように、サンジュストに「ジロンドの処刑についてですが」って切り出された時のマクシムも初期は割と普通に受けていたのに中期〜後期で「彼女の前でその話はちょっと待ってくれ」みたいな反応をよりわかりやすくするようになって、それでマリーアンヌの「処刑ですって?」がストンと腑に落ちやすくなった。

マリーアンヌの戸惑いを受けたマクシムに迷いが戻ってくるのもこの場面のいいところで、その後の葛藤と焦燥に綺麗に繋がるんだけども。

・2/4の時に「あなたの理想はもっと素朴で温かいもののはず」って、全身で泣きながら声を震わせてマクシムに訴えるマリーアンヌの言葉に、マクシムがあの八の字眉で哀しそうな顔しながら空を仰いで、いつもより間をあけて「多くの人民が…今も苦しんでいる」って言った時に、お互いの抱えてる苦しみがあまりに大きすぎて泣いた。なんで分かり合えなかったんだろうってものすごく思ってしまった。

・その後の「私を愛することはできないということか」「今のあなたを愛することはできない」も、後期は特に隔たりを大きく感じて(「今」で確かに2人の心が通じていることを突きつけられていた後期の方がここの断絶がより破壊力大きくてつらい)希望を見せてくれたマクシムを愛せないって告げるマリーアンヌも悲しいし、まだ戻れる段階だったのに自らその道を絶ってしまうマクシムも悲しい。こんな悲しいシーンある?って思いながら毎回見てたけど、これ以上に悲しい断絶シーンまだくるんだよ正気かよ望海風斗をどれだけ痛めつけたら気がすむんだよ生田先生(ありがとうございます)

・ここのシーンのサンジュストが、マクシム強火担どんどん拗らせてって、マリーアンヌを氷みたいな目で見るし、「今のあなたを愛することは出来ない」でハァ?みたいな顔してるし、マクシムが自分の信じる道を全うするだけだ!って去ってく時めっちゃマリーアンヌが追うのを妨害するしで強いですね…ライビュでもかなり抜かれていた…。ただここでサンジュストが一回「お引き取りを!」ってマリーアンヌを止めた時マリーアンヌがサンジュスト弾き飛ばしてマクシムに声をかけに行くのがめちゃくちゃ好きでしたね…前期はそこまででもなく押しのけてって感じだったけどラスト1週間なんかもう文字通りサンジュスト弾き飛ばしてマクシムのところに声かけに言ってたからね…その後のサンジュストの「けっ!なんだよこの女!」感も強くて好きでした…全方位愛されマクシムが一番強い。

・葛藤と焦燥というナンバーについて。好きすぎるのでこれもやはりたくさん色々書きます。今作で一番のナンバーになったと思う。

前期。大劇場版(円盤)ほどではないにしろここはマクシムとマリーアンヌが歌で殴り合うシーンだったと思う。大多数の観客(だいきほファン)が望んでいた、「トップコンビが歌で殴り合う」シーンがまさに前期の葛藤と焦燥だった。お互いの気持ちを、革命を進めたい思いを、間違った道に進もうとするマクシムを止めたい想いを、全力の歌唱に乗せて歌う。とても真っ当で正しいあの頃の「葛藤と焦燥」は、ストレートに声が届いて肌がビリビリ震える感じだったなあと思う。

中期。真彩ちゃんの声が出難くなってきた頃で、気にしなければ気にならない程度とは言えマリーアンヌが前期ほど全力で歌えなくなってきた。弱いところと強いところ、マイクに入る音声にメリハリ(と言うと聞こえはいいけど本人比で言ったらだいぶ不安定な歌唱だったと思う)がつくようになった。マリーアンヌが全力で歌えなくなるとマクシムだって全くのストレートで歌うわけにいかなくなって、お互い探っていた部分もあったと思う。まぁ知らなきゃ全然気にならない程度なんだけど(これは何度でもいう)。そしてマリーアンヌはオリジナルキーで歌えなくなって、キーを下げて歌うようになって。2/4、あの日の葛藤と焦燥が記録メディアに残らないのは本当に人類の損失だと思うんだけど。声が出ない、その中の人の苦しみと、マリーアンヌのマクシムに届けたい気持ちが届かない苦しみがピッタリとハマって、

♪愛した人を殺すなんて出来ないわ!!!!!

が魂の叫びだった。こんな事があるんだなって思うくらい、心に刺さってぶわっと込み上げるものがあったし、あの日のマクシムもマクシムで優しさの中に抑えきれない感情が溢れていて、

♪いつの日か 君と 生きよう

のパートが今までにない包容力というか…なんだろう形容しがたい何かだったし、

♪全てが終わるまで

の2人の歌声が劇場の天井にまで刺さるような、そんな感じだった。とにかく鳥肌がすごかった2/4。マリーアンヌは歌いながらボロボロに泣いていて、どれだけ苦しいだろうって。

そして後期。マリーアンヌの

♪愛と憎しみがこの身を引き裂く

とか、マクシムの

♪幸せの国で君と 2人で生きたいと 今も願い続けてる

とかに中期までとは比べ物にならない感情が乗ってこの歌もまた「今」と並ぶほどの愛の歌なんだなあと痛感した。

マリーアンヌのキーは結局前楽まで戻らず、それでもマクシムとの掛け合いはオリジナルキーでなくても全く問題なく。マリーアンヌが前期ほど声を出せなくても、不思議なことにマクシムも別にパワーを抑えているわけでもなく、誰かが言ってた事だけど「望海さんが真彩ちゃんの歌声を引き上げるように歌ってる」みたいなそんな感じで、トップコンビが歌が上手いとこういう…なるほどこういう…みたいなのを毎公演見せつけられてすごいものを見ていた。私たちはすごいものを毎公演見ていた(2度いう)スパーン!と肌に刺さる前期の歌唱は迫力はあったけど、後期はもう完全に心臓を直接掴んできていたし、2人の声が合わさる多幸感たるや何を見聞きしていたんだ私たちは。

そして千秋楽。マリーアンヌの

♪近付いたのは殺すためよ

が、「た↓め↓よ↓」じゃなく「た↑め↑よ↑」だった瞬間あっ原キーくる!ってなってもうだめだった。

♪愛した人を殺すなんて出来ないわ!!!!!!

2週間ぶり、ぶっつけ本番最後で最高の原曲キー絶唱でした…。そこをマリーアンヌが原キーで歌いきった後のマクシムも千秋楽まで解放できなかった全てを曲に乗せて応えていたし、一つの曲の完成を見た気がした。なんでこれを今すぐ円盤にして売らないんだTCAはポンコツか。

・2人の葛藤と焦燥に合わせて背後ではジロンド派の処刑が行われるのでぶっちゃけ画面三分割して欲しいし目が足りなくて困る場面過ぎるんだけど、ここのロラン夫人が最高オブ最高で、後ろ手に縛られて台車から降りて、処刑台に送られるのに兵隊たちには手を触れさせず凛として、自分の処刑を見ている民衆(観客)を強い瞳でじっと見つめて自ら処刑台に向かっていくその力強さたるや…あれは男役がやる女役だからこその強さだと思うし、肩や胸の動きで、表情は変わらないのにどんどん心拍数が上がって…処刑される恐怖を内包してるその様、彩凪翔の大勝利としか言いようがない。

ジロンド派の他のメンバーは台車から降ろされた時に逃げようとしたり、処刑台の上で力なく項垂れたり、そういう感じだったから尚更ロラン夫人の強さと美しさが眩しい。ロラン氏がロラン夫人をなんとも言えない顔で見ているのも好きだったな…。この作品には夫婦がたくさん出てくるけど、ロラン夫妻も(ロラン夫人には愛人がたくさんいたという設定はあれど)、夫は妻を愛していたんだろうなって思えて。

・葛藤と焦燥の音が終わるところでマクシムが手をあげる合図に合わせてサンジュストが処刑を下す合図をするんだけど、その時のサンジュストほんと意味わかんないくらいイイ笑顔してるんだよね。マジで死の大天使の名に恥じぬサンジュストっぷり。

大してマクシムは日によるけど迷いを内包してる日もそれなりにあった。2/8のマチネだったかな?バッとあげた腕がわずかに震えていて、うえぇ…ってなった。闇落ちしきらないままジロンド派の処刑の合図下してたと思うとしんどさがすごい。

・舞台転換とかの話を少し。「葛藤と焦燥」の、イントロ始まりでマリーアンヌが台詞言いはじめると同時に後ろの建物の中に入って行ったマクシムが、渡り廊下的な所を歩いてるところでマリーアンヌが歌っている間に盆が回って、マクシムが廊下の突き当たりの壁にもたれかかったところでちょうど正面に来て歌い継ぎ、マクシムが歌ってる間にマリーアンヌが建物の中を通って短剣を持って出てきて下手の壁のところに行く流れの動線があまりに滑らかで素晴らしく大好きで。その後のセットが下がってマリーアンヌ下手、マクシムセンターから上手で歌い継いでる間に奥から処刑されるジロンド派が運ばれてくるのもうほんと何度見ても一切の無駄がないのがすごい。

ひかりふる路の個人的に素晴らしいと思ってるところの一つに暗転がほとんどないってのがあって、奥の方の照明暗くして、舞台手前や花道、銀橋で色々やってる間に盆回したりセリ上げたり下げたりして場面転換してるからぶつ切り感がなくて、中でも女性革命家のシーンとこの葛藤と焦燥のシーンは本当に最高。生田大和の場面転換を信じろ、みたいになってた(何様か)だからこそ粛清シーンで暗転来る時の破壊力の大きさよ…最高。


◆第12場 ルノーの印刷所

・前の場面を引きずりまくって時には泣きながら、時には涙も出ないほどの絶望の表情を浮かべながらそれでも「私も手伝います」って言う気丈なマリーアンヌと、それを優しく受け止めるルノー(泣いている時には必ず涙を拭ってくれる)、マリーアンヌが新しい人生で新しい家族を得ていることがこんなに嬉しくて切ない場面ないよ…

・兵隊さんたちが乗り込んできた時に真っ先にリュシル、マリーアンヌ、ルノー夫人を庇うようにうごくデムーラン。小心者というキャラ付けだけど、彼は彼でとても頼れるところがあるって思えて好きだった。

ルノー反革命的な新聞を発行している罪で連れて行かれそうになった時にも「新聞を書いたのは僕だ!」って声を荒げたり、デムーランは本当に優しくて勇気のある人間なんだよなー…そしてデムーランに庇われるルノーもマイクが小さいながらも「違う(デムーランは悪くない)」って声を拾っていて、あの印刷所に関わる人間たちの優しさがすごく伝わる。細かいことだけど粛清=死に晒されてなお他人を庇うんだよねあの印刷所に関わる人たちみんな。凄いことだ。

・デムーランがルノーをかばった時に「お心当たりがあるのなら、言論を慎まれてはどうです?」って反革命リストを突きつけながら薄ら笑いを浮かべるサンジュストが本当に毎回怖くて、あんな優しい声で天使みたいな顔してるのに粛清を粛々とこなしているあの感じ、もはや人間ではない。

ルノーが連れて行かれる時にマリーアンヌが言う「お父様!」が、最初はあまり聞こえなくて、後半小声ながらも割としっかり聞こえるようになったのだけど、円盤では叫ぶように「お父様!」って入っててあそこも役作り変えたんだろうな。東京版の動揺の中で悲しみのこもった声で言う「お父様」が私は好きです。

・絶望に打ちひしがれる中で、リュシルがデムーランに「ジョルジュを呼びましょう」って言って、デムーランはきっともう来ないっていうけど背中を押すように「きっと来てくれる!」って言うリュシルが本当に好き。女は強いんだ…

・銀橋使ってのダントンへのお手紙ソング。歌詞の

♪月が空高く輝く夜も 凍てつく雪の夜でも 時を忘れ語った

の部分がマイ初日に見た時から雪から月を経てまた雪で去っていくコマちゃんへの生田先生からの最大限のラブレターみたいだなって思って毎回ウルウルしていた。

ここでデムーランの後ろをついていくリュシルが、祈るように手を組んでいるんだけど、千秋楽ライビュで綺麗な涙が流れていて…もうどうにもならない革命の渦の中で、分裂してしまった彼らの友情を取り戻すことが彼女にとっての光で、それを祈るようにしているリュシル、尊いしかない。

・下手花道からせり上がってくるダントンが持っているデムーランからの手紙が、至近距離で見た日に地味にくしゃくしゃなのに気がついて、何度も読み返してデムーランに対して「友を見捨てたりしない」って言ってるんだと思うとほんと涙出る。

・メインで友情ソング歌ってるダントン&デムーランに被せるマリーアンヌ&リュシルのコーラスのメロディライン美しすぎる。


◆第13場A ジャコバン・クラブ

・兄を訪ねてくるシャルロット、最初の方はとても綺麗なドレスを着ているのにこの場面ではサンキュロットと大差ない地味なドレスを着ていて、それだけでもう暗い気持ちになるし、ここでいつもフーシェとフレロンに絡まれてるんだけどフーシェとフレロンも後期にはどんどんねちっこくなっていってシャルロットの怯え方が凄かった。

・後ろのテーブルで飲んだり談笑したりしているジャコサーメンバー。

初期はポールとかりあんが、フーシェたちが「首切りにお忙しいからな!」って言って生首ごっこでシャルロット脅かす時に手で首を切るようなジェスチャーを2人でしながら笑っていたり、「あいつらまたやってるよー」みたいな反応したりしていたんだけど、後期はビョーとかも含めて後ろにいる全員でフーシェフレロンの首切りごっこのシーンで手を叩いたりして笑って持て囃してて、控えめに言って狂気度かなり増してたと思う。マクシムが来ると後ろのメンバーはすごい真顔に戻るのもまたマクシムには逆らえない感凄かったな…

・マクシムがきて「手を離すんだ!」って言った時にすかさずシャルロットの手を乱暴に引っ張って自分の背後に隠れさせるオーギュスタン、後期はここ好きで毎回見てしまっていた。あやなちゃん雪ではそれなりに大きいから妹守る包容力あってとても良い。

・リヨンで行なった処刑について「田舎ではそのくらいしか娯楽がない」って言い放つフーシェに「娯楽…!?」って言うマクシムのあの震え声とワナワナしてる感じ、こいつは何を言ってるんだ感すごくて自分も同じことしてるのに…つらい…

フーシェによるマクシムのスカート(燕尾)捲り、日によってねちっこい日もあればサラッとした日もあり、勢いよくバッ!とまくる日もあり、それに対してのマクシムの反応もやっぱ日によって様々で、何日だったか忘れたけど後期だったかな。ラスト1週間の何処かだったと思うけど、バッ!と勢いよく捲られたマクシムが体に電気流されたみたいに過剰反応して凄い勢いで振り払うように振り向いて怒りをあらわにしてた日があって、あの日はフーシェまじでシャレにならないなみたいな空気感だった。後ろの他のジャコサーメンバーも。凄かった。それをすかさず守るサンジュストとかル・バとか。そりゃフーシェだって「お姫様にはナイトがたくさん」って言うわ…。

・ダントンが登場してあからさまに狼狽えるマクシムと、それを見て「うわ…」みたいな顔してるサンジュストと、「なんかきたわー」みたいな半笑いというか面白い見世物だなみたいな顔して上手手前の椅子に座るフーシェの対比よ…ここのフーシェがほんっと毎回すごいいい顔してたんだけどちゃんとは残らないと思うともったいないお化けでる…。

・マクシムの「なぜ帰ってきた!」は「なぜ戻ってきた!」ではだめだったのかずっと考えている。結局マクシムのパーソナルスペースに入り込めていた数少ない人間の1人がダントンであったという事実がジャコバンクラブは「ダントンの帰る場所」というマクシムの認識だったのかなって思うと本当に苦しい。

・1/20〜1/27くらいのマクシムはスゴツヨだったので、ここでダントンとやりあう時もスゴツヨだったんだけど、

♪革命の道を邪魔立てすれば

の「か」の破裂音のようなマクシムの発する音が死ぬほど好きで、恐怖政治の「光を遮る」の「ひ」の音と並んで私の中でベストオブマクシムの発する音。特に良かったのが後期。後期の「か」の音最高オブ最高だった。

・ダントンの

♪やれるものならやってみろ 俺の命ならいくらでもくれてやる

に対してのマクシム、前期は比較的悲しさが大きくて、中期はなんでそんなこと言うんだ、という戸惑いと信じた友に分かってもらえない悲しさが同居していて、後期はまた悲しみが大きくなっていて、日々あの言い争いの中でマクシムの感情の幅がとてもあったと思っているんだけど、2/6ソワレの時にものすごい悲しそうな顔で

♪どうして 分からない

って歌っているのを目の当たりにして心底弱ったマクシムがやっぱり私は好きだなって思った。

・マクシムとダントンが言い争っている時、オーギュスタンの背中に隠れているシャルロットが彼の背中にしがみつきながら顔を背けて泣きそうな顔をしているのがいつも辛くて、彼女はガブリエルが息をひきとる場にいたくらいだからきっとダントンのことだって兄と同じくらい慕っていて、それであの状況は心が裂けるような思いだったろうなって毎回思った。

・マクシムとダントンが言い争ってる時、舞台中央奥のベンチに座っているポールは横顔がこっちに見えるように座ってるんだけど、毎回「見ちゃいけない」みたいな神妙な顔してるし、背中をこっちに向けて座っているフレロンは大体頭に片手乗せて背中しか見えなくても「あーあーもー面倒な感じだー」みたいな雰囲気出てるし、上手奥のテーブルのところにいるビョーとかかりあんは俯いたままだし、上手手前のイスに座ったままのフーシェは肩を「やれやれ」みたいに竦めて首を横に振ったりしていて、同じジャコサー仲間でも反応様々だなって。下手にいたうえんつとゆめくんはあんまり見るチャンス無かったな。安定の目が足りない。

・♪間違っているのはお前たち

マクシムに対するマリーアンヌの

♪違う!あなたよ

のキーが下がったのは…1/27からだったかな?私が見た中では。新公後だったよな。

マリーアンヌにマクシムがいう「こっちへ来るんだ」も中期は語気強めに「くるんだ!」な時が多かった気がするけど後期は語りかけるようにしっかり溜めて「…こっちへ、くるんだ」って感じの言い回しが多かった。もちろんマクシムの感情によるので食い気味の日もあった。マリーアンヌの「いやよ」も後期は悲しそうな拒絶の意思が大きかったかな。初期は「嫌よ!」感が強かった。だいぶ変わったなあ。

・ダントンの「腹が減った」は最初唐突だなぁと思っていたけど、1/20はタメるように腹が減ったぁ〜〜って伸ばしてて、あの辺からどんどん伝わりやすくなっていったかなと。千秋楽付近の「腹が減った」の言い回し、その後の「どうせ働き詰めでロクなもん食べてないんだろう?」への語りかけ的な繋がりがとても自然で、ダントンの成長著しいのがダントン邸前のこのシーンから分かって好きだった。

・「これは、俺と、お前の問題だ!外野はいらない」っていうダントンの、「俺と」の部分で親指で自分を指して「お前の」で手でマクシムを指すのが好きだったんだけど、気づいたら「俺と」の自分指しがなくなっていて、それはちょっと残念だった。でも「外野はいらない」で腕を広げてぐるっとするところはダントンが大きくて大胆なとこが出てて大好きだったし、外野呼ばわりされたジャコサーのみんなが「何だと!?」みたいに反応するのもバチバチでよかったな。

・2人でご飯を食べることにマクシムが同意した時のサンジュストの「えっ本当に!?」的な顔と、捌ける時の「チッ」ていう舌打ち、最初のうちは本当にチッて感じだったのに気付いたら唾吐いてるくらいの「ケッ!!」くらいの勢いになってきててあのやりすぎ感サンジュスト大好き。

・マクシムとナイトたちが舞台上手にはけていく時に舞台後方が暗くなって盆が回って転換になるんだけど、その時いつも上手のフーシェのいるテーブルにジャコサーメンバー(マクシム反対派)が集まって小芝居しているのが好きだった。

前の場面で腕を掴まれたフーシェが腕が痛いよ!みたいなのしてたらポールが「いやそんな痛くないっしょ?」みたいに腕掴んで「痛い痛い!」みたいになってたのを見たのが一番最初だったんだけど。

他にもフーシェに向かってポールがスカートめくりみたいなジェスチャーした後にフーシェ指差して、それに対してフーシェが肩をすくめて「別に」みたいな反応してたらビョーとかフレロンもスカートめくりジェスチャーしててあれきっと多分「お前流石にあれはやりすぎだって」「そうかなぁ」みたいな感じだった…そういう日もあった。

あとフーシェの周りに酒持って集まってフーシェの肩をみんながポンポンしてる日もあったし、一番衝撃だったのはフーシェにポールがキスしそうなくらい顔近づけてなんか話してて、それを受けたフーシェ笑ってて、その後フレロンとビョーもフーシェにキス距離で近付いてみんなでヒソヒソ?みたいな日があって、何その近さ!?みたいになった…あの場面暗いし盆回っちゃうから最後まで見届けるのは難しいシーンだったけど大好きだったな。

公演中フーシェのまなはるが誕生日だった日はビョーの叶ゆうりが誕生日おめでとう!って乾杯しにいってポールとフレロンもそれに続いてフーシェが喜んでたってのもあったみたいで、雪組のそういうとこ好き。

・そんでそんな後ろの盆回りもガン見してるんですけど、前の方ではダントンたちがメインの芝居してる…(目が足りない)前期はここのダントン軽くて、マクシムたちがいなくなった後のため息も軽くて、その後のダントン邸のシーンへの繋ぎとしてもそこまで深刻な感じはしなかったのだけど、後期は深刻だったな…張り詰めた空気がマクシムたちが去った後一気に緩んで、でも気は全く抜けない感じがよく出てた。デムーランが言う「フランスの存亡がかかってる」はまさにその通りで、ここのデムーランの悲痛な声は最初から最後まで本当に良かったんだけど、それを受けるダントンの良さがどんどん上がってなぁ…

「喧嘩っ早いが喧嘩は嫌い」なダントンが「これは俺とマクシムの問題で本質は喧嘩」って言うの脚本が出来すぎている好き。

・その男たちのやりとりを見てるマリーアンヌとリュシル、不安に押しつぶされそうな顔をしてるマリーアンヌの肩をリュシルが指でそっと撫でているの最高オブ最高。最高が詰まりすぎてて意味がわからない。みちるちゃんのお芝居が大好き。

・そしてマクシムとの最終決戦に向かうダントンのあの…デムーランたちに明るく「ちょっとマクシム説得してくるよ」みたいな顔して3人をはけさせた後に見せる神妙な顔よ…ほんっとに…回数重ねるごとにあの場面のダントンの気持ち考えるほど胸が張り裂けそうだった。


◆第13場B ダントン邸の一室

・執事役のゆめくんの落ち着いた声と佇まいが大好き。1/27?だったかな?声のトーンがえらく変わっていた日があって、喉辛いのかな?と心配したけどその後は元に戻っていたのでちょっと変えてみたりとかしていたのかな?

・マクシムくるまで落ち着かないように飲み物のデキャンタを並べ直したりしているダントンがなんか切なかった。

・時計の時報が鳴ると同時にやってくるマクシム、真面目が過ぎて普通に望海風斗だなっていつも思ってた遅刻とかしなさそうさ加減がすごい。

・椅子の座り方もすごく個性が出ていて、マクシムは燕尾を尻に敷かないようにスカート広げて座るみたいにちゃんと座るんだけどダントンはそのままどかっと座るんだよね。マクシムが燕尾を気にしないで椅子に座ったシーンってダントンが裏切ってるってサンジュストたちに告げられて証拠が広がってる卓のところに行ったときだけだと思うんだけど、ダントンは椅子に座るときはいつもそのままドカッと座ってたからほんと性格…ってなる。

・「お前に人生の喜びを思い出してもらおうと思って用意させたんだ」ってダントンがローストビーフの盛合せをマクシムの顔の前に差し出すときのマクシム、「人生の喜び…」って言いながらめちゃくちゃ嫌そうな顔するんだけど、グラフであのシーン本当に嫌って望海さんが言ってるの読んで申し訳ないけど少し笑ってしまった。でも本当に心底嫌そうにいうんだもんな…

・あの場面でテーブルに並んでいる料理、ローストビーフの盛合せ、ムール貝か何か、チキンもしくはターキーレッグの盛合せみたいなラインナップなのでロクなもの食べてないってわかりきってる人間の目の前に並べるにはダントンそれちょっとどうかなっていつも思ってた…スープとかサラダも用意しよう…?(女子かよ)

・マクシムに飲み物を勧めるダントン、わざとらしく「確かお前は白ワインが好きだった」っていうんだけど、「確かお前は〜…白ワイン、が好きだった」って溜めて言えるようになってからこのシーン信じられないくらい進化してきた。最初のダントンはタメが出来ない子だったから、タメが出来るようになってから場面の深みが雲泥の差。マクシムに白ワイン断られてからの「はーん………白は王党派の色だ、とか言われてるからか」の言い方も…ここは2/6の言い方がベストだったかな。わざとらしくちょっと棒気味というか。そういうダントンがマクシムの感情を揺さぶって行く過程見事だった。

・気にするなってダントンがマクシムのグラスに白ワインを注ごうとした時、マクシムがバッ!て手でグラスに蓋をしていう「結構だ!」も、勢いあり過ぎてグラス倒しそうな時なんかもあった。「飲みたければ1人で飲みたまえ」の声が震えている時なんかはダントンに引き出されてる"マクシム"だなあと思いながら見ていた。

・ダントンの「人はこの喜びのために生きてるんだ」を聞いたマクシムがうつむき気味からキッと顔を上げていう「要件はなんだ」、中期はお前のペースには飲まれない、っていう意思が割と強かったと思う。ここの顔を上げた横顔にかかる前髪が天才で大好きだった。

・「ジロンド派の連中もこうやって篭絡したのか!」と笑うマクシムに対するダントンがどんどん深化していって。

1/13の公演で少しタメを覚えたダントンが真顔でマクシムを見つめる間があって、最初笑いながらダントンを見てたマクシムがどんどん真顔になっていって、ダントンが一皿目を勢いよくガッシャーン!した時にバッ!と耳を塞いだのね。それがマクシムの耳塞ぎ初見だったんだけど、その後皿を落とすたびにビクッ!ビクッ!てしていて神経質さがすごく出てて。

ダントンの皿落としシーンは日を追うごとに変化が激しくて、1/20は強めマクシムだったので耳は触る程度、目を背けてそこまでビクッとはしない感じ。1/27も強めだったかな?27ソワレの方だっけ、確か頭抱えそうなくらい強がってはいるけど心が折れそうな顔のマクシムだったのは。

2/4は神回。一皿目で耳触り、皿を落とされるたびに神経質に反応して何日も寝てない人みたいな…伝わりづらいけど手負いの獣マクシム。ダントンの皿の落とし方も一皿一皿、見せつけるように落としてて。今思い出しただけでも泣けてきそう、もう一度2/4のダントン邸見たい…。

2/6は吹けば消えそうな揺らぎマクシム、ダントンの一皿目の落とし方がスピード重視のガッシャーン!だったのは覚えてる。そのあとやっぱ見せつけるように、マクシムを真っ直ぐ見つめながら一皿一皿落とすダントン、俯きながら耳触って伏し目がちにでも目が泳いでるマクシム。

2/8はマチネは耳触りなしで俯きながらビクビクマクシム、ソワレは過去最高に見せつけ皿落としダントンでマクシムも背中丸める感じで俯きつつ、本当にゆっくりゆっくり確かめるようにダントンが皿を落として行くものだからマクシムもその度に耳触りつつビクッ!ビクッ!て小さく反応してて。

2/10は…あんまり記憶が…ない…

2/11マチネは見つめあったまま目が反らせない2人が、ダントンが一皿目を落とした瞬間にマクシムがバッ!と顔を伏せて神経質に耳触ってたのは覚えてる。千秋楽はもう今までの集大成で良かったところ全部詰め込んでたこのシーン。

ダントンのお皿落としチャレンジも本当に進化したよ…ちまちまメモしてあったのをこうしてまとめて思い出すだけで込み上げてくるわ。

・「話だけをしよう」っていうダントンにマクシムが「何を話すことがある」っていうところも、初期の「話だけをしよう」は本当に軽かったな。円盤見ても軽いもんな。1/13にここの言い回しが少しゆっくりになった。中期はタメつつ、でもマクシムも強かったから語気強めだったかな。後期がね…後期のダントンの「話だけを、しよう」ってゆーっくり言うのと、そう言うダントンを見つめるマクシムも中期は睨むような顔つきの日が多かったけど後期は泣きそうな、何かちょっとしたきっかけで決意が揺らいでダントンにほだされてしまいそうな、決壊してしまいそうな顔をしていることが多かった。そこから自分の気持ちを奮い立たせるかのようにまくし立てて「何を話すことがある!」だったから痛々しさがすごい。その後のやり取りも、後期のマクシムはずっと決壊寸前の顔してたよな。あの顔大好きだった。

・「不幸な人民が1人でもいる限り、私は自分の喜びなどどうでもいい」と言い放つマクシムにダントンが手を叩いて笑いながら言う「ご立派だ。そして実にくだらない!」が好きだった。棒読み気味でマクシム煽ってるように言ってた「ご立派だー」が一番好きだったな。完全にマクシムカチーン!ってくるやつだったよあれは…

・徳を語るダントンに「私を侮辱するのか!徳を冒涜するのか!」って憤るマクシム、机をバンバン叩くようになったのは私が見た中では確か1/20。グラスがピョンピョン跳ねるほど机を叩いて、机に突っ伏したその腕が、肩が、身体が震えているマクシムを毎回見るのが好きだったし、一緒に机を叩いて「冗談だ!!」した後に「…………いや、冗談でもないか。」するダントンも大好きだった。

2/6ソワレのマクシムは全身で震えていて今にも壊れそうで抱きしめてあげたくて、ダントンもきっとそう言う気持ちだったろうと思えてたまらなかった。

結局あの机叩きでワイングラスが倒れたのを見たのは2/10のソワレ一回きりだったけど、いつ見てもよく倒れないなー落ちないなーと思っていたから一度でも倒れるところを見られて良かったと思う。マクシムの強い想いの証なんだよなあの机叩き。友人と分かり合えないことへの爆発がすごくて。

・「無理することはない」からのマクシム説得&抱擁チャレンジダントン、大劇円盤は20%くらいの成功率だし東京前期は30〜40%くらいの成功率だったけど、中期くらいから50〜60%くらいの成功率になって後期にはもう一気に80〜95%くらいの成功率でしたね。前楽と千秋楽なんかなんでマクシム説得されないの?99%説得成功してんじゃん!ってくらいだった。

抱きしめる直前で空を切るダントンの腕が悲しい…東京後期はダントンが抱擁チャレンジしたあとに腕でちゃんとマクシムがいたところを抱きしめてることが割と多くて、そこに抱きしめられなかった友の喪失大きすぎるよほんとつらい。

2/10〜2/11なんてあと一瞬早ければ掴めたくらいのギリギリさでマクシムが机蹴る勢いで抱擁チャレンジから逃れてて。しかもあんな顔で。抱きしめられて仕舞えば楽になれたのになあ…悲しいなあ…

千秋楽は抱擁チャレンジから逃れるマクシムの瞳から涙が一粒溢れていて本当に貴重なものを見たよ…前楽も目のところいつもよりキラキラしてたから涙目すごいなって思ってたけど溢れてはいなかったはずなので。

・前楽のダントン邸は2人とも全体的に熱が入りすぎてセリフに詰まることが多々あって苦しかった。お互いと、革命を、こんなに思っているのに決定的に分かり合えない。こんな苦しいことがあるだろうかって思いながら泣いた。千秋楽はそれ以上だったけれど。


◆第14場 ダントンの粛清

・「私と共に、戦う気はないんだな」っていうマクシムにダントンが背を向けたまま言う「それだけはできないな」も噛みしめるように「それだけはー…できないなぁ…」って感じの言い回ししてる日が個人的に最高だった。中期〜後期始め(2/4くらいまで)のマクシムは疑問系じゃなくて断定系で「戦う気はないんだな」って言ってたから、もう完全に訊くまでもなく決別していて辛かったな。後期はちょっと疑問系とまでは行かずとも問いかける気持ちが残ってるみたいな雰囲気戻ってきてたけど「戦う気は…ないんだな…」みたいな。

ダントンもそれを受けてできないってはっきり言ってしまうから、その後のマクシムの「そうか」もつらい。声が震えてて。

マクシムのお衣装、袖にフリルついてて若干萌え袖気味なので手を握りしめて「そうか」してるときにフリルが震えるんだよね…萌えるけどそんなに我慢して友と決別してるの辛すぎない?

・マクシム出て行った後振り返るダントンの目に涙を見たのは2/8ソワレ、2/11マチソワ。特に千秋楽が素晴らしかった。

♪友よ 君といつの日か共に 笑い合える日が来ると 僕は信じて 君の…

デムーランと共に歌った曲を、マクシムが去った部屋で、マクシムとともに交わすはずだったワイングラスを並べてワインを注いで歌うこのダントンの…みんな仲良く飲んで食えたらそれで良かったのに…ってどうしても思ってしまうし、ここでダントンが寂しげに笑顔でいるものだから余計に悲しくて、それで最後まで歌う前にサンジュスト来るし

・「反革命の容疑で逮捕する!」のサンジュスト、初期はそこまででもなかったのに中期後期…特に後期だな。めちゃくちゃいい笑顔で逮捕状持って来てて、いやこれ完全に速さから言ってマクシムと一緒にダントン邸来て外で待機してたし、塞ぎながら首を振るマクシムとか見て意気揚々と踏み込んで来たよ!感出てて最高だったし、ダントンが命乞いするでもなく堂々と「良いぜ。行こうじゃないか!」するもんだからすごく怪訝な顔するのね。そこも良かった。

サンジュストはダントンが嫌いで、ダントンのことを見くびっていたというかこの状況でもこれだけ強い人間だってこと、本当にマクシムのためになら自分の命をいくらでもくれてやれる人間だってことを理解してなかったんだって思えてあーさサンジュスト(特に後期)本当に良かった。

・ダントンの腕を縛り上げるアンリオくん力強くてイイね!!ダントンも思わず振り返って睨んじゃうよね!!

・処刑場にデムーランとリュシルがいるのを目の当たりにしたダントンが、そこまで気丈だったのに唯一苦しそうな顔して「済まないな…」って言うの苦しいの極み。でもデムーランも「君のせいじゃない」って返すから友情尊み…。

千秋楽で目に涙をためて声を震わせながらデムーランとリュシルに説得失敗を詫びるダントンが辛くて辛くて、そこからの無音の「大胆に行こうぜ」は…忘れたくないなあ…。黒い涙を一筋流して笑うダントンの「adieu mon amie!」の格好良さ、尋常じゃなかった。

・どこかで見ているかもしれないマクシムに向かって「お前もすぐに俺の後を追って来るんだ」と叫ぶダントンをすごい顔で見てるサンジュストもまた良くて、自ら断頭台に登る前にダントンがサンジュストを見るんだけどその時のサンジュストが心をめちゃくちゃかき乱されている顔をしていて、処刑を指示する「やれ!」の声も後期は切羽詰まっていて、それだけダントンの存在の大きさがすごい。

・ダントンの粛清が済んだ後、初期〜中期のサンジュストはただひたすら「やったぞ!」って、ほんとに目の上のたんこぶをやっつけたみたいな感じだったのに、後期になって迷いが生まれたんだよね。本当に良かったのか、みたいな。あの一瞬の表情好きだったなぁ…ピンスポでサンジュストだけ抜かれるシーンだから安心してそこだけ見られるの最高だった。


◆第15場 至高の存在の祭典

・ダントンたちの処刑は滞りなく、って告げるサンジュストに対するマクシムの「そうか…」っていう相槌、初見の時から無だなって思っていたんだけど、時たま自嘲するような顔のままの時もあれば消え入りそうな声で「そうか…」って言う時もあり、「そう、か…」みたいにため気味の時もあり、マクシムも日によって感情の波があったけど、新公後…1/27かな?の時は新公マクシムに感化されたのか本当に消えそうな「そうか」で珍しいなあと思ったし、千秋楽近くはマジで力無い、完全に空っぽになってしまったような「そうか」で、その頃になるとサンジュストが明らかにマクシムの反応に困ったような、というか、首傾げて真顔気味で「もしかして私は大変な間違いを犯したのでは」みたいな顔するようになって(2/8くらいからだったかな)、本当に打てば響くやつだよサンジュストはさあ!!!!!

・ル・バがマリーアンヌを取り逃がした、とマクシムに告げた時、中期は本当に飛びつくようにというか…凄い勢いで「彼女はどこに!?」って時が多かったと記憶しているんだけど、後期は空っぽになってしまったマクシムの唯一の希望であるマリーアンヌに縋るように「彼女はどこに…!」してて、中期の必死さより後期の彼女を求める切実さが胸に痛かったな…。

1/27に初めて見た、「行方はわかりません」からの「そうか…」で祈るように手を組んだ動き、その後の公演はずっとやってて、単純に気持ちのやり場がなく手を組むみたいな日もあれば1/27みたいに祈りがこもってる日もあり。

・後期サンジュストの私は大変なことやらかしたのでは…顔からの「次は何を」の笑顔、理想のマクシムを得るための問いだし、それ聞かれたマクシムの「何をすれば良いのだ?」が軽くホラーだよ…もう革命の理念も理想もへったくれもなくなってる、あんな空っぽな顔で空っぽな声で友人まで手にかけた人間が発する「何をしたら良いのだ?」怖すぎるよ。

・そこから畳み掛けるようにダヴィッドが「無知蒙昧な民衆を再教育するための祭り」だよ。最悪だよ。でもここで祭りの杖貰って「まつり?」って訊き返すマクシムの弱り方は完全にストライクでしたありがとうございます。ひらがなにしか聞こえないマクシムの「まつり?」疑問系じゃない時の「まつり…」って感じの時よりは「まつり?」って感じの時の方が好きでした。

・至高の存在の祭典でギリシャ・ローマ調の衣装に身を包んで出てくる民衆の殆どがかつて粛清されたメンバーという輪廻演出怖すぎるし、平和の象徴みたいな壁画がくるんと回って斜めの光の線になるところの演出だけで飯が何杯でも食べられるほんっと大好き生田先生の演出最高。民衆の中のまちくんとおーじくんが張り付いた笑顔で特に好きだった。

・祭典シーンの不協和音のメインテーマ「ひかりふる路」何回見てもゾワゾワしてしまったし、首斬られた人が大半を占めている民衆に

♪夜明けの空を赤く染める

って歌わせるの趣味悪くて最高(褒めている)

サンジュストがお立ち台に登るマクシムを讃えながら言う「我々を至高の存在へと導く言葉を聞こう、革命の指導者、マクシミリアン・ロベスピエール!」っていうのの気持ち悪さ、最初にルイ16世を処刑した時に「我々の上に王はもういらない」って言い放ったサンジュストがマクシムを神の如く讃えているダブスタの気持ち悪さと、一番最初にマクシムがせり上がってくる時にダントンが言った「革命を新しい時代へと導いてきた同志、マクシミリアン・ロベスピエールの言葉を!」と言葉がほぼ同じだからって公演途中から気が付いて、本当に気持ち悪いなって…見るたびに…あんなに眩い光が降り注いでいた革命を今照らしてる光はギロチンを意味する斜めの光なんだよ気持ち悪すぎる生田先生最高(褒めてる)

・お立ち台マクシムにダントン(の幻影)がいう「傑作だマクシム!」のところの雷落ちたような音響とエコーかかりまくって現実か幻想か区別付きづらいとこ好き。

・あそこのマクシム、雷みたいな音が聞こえると同時に表情が変わる(それまで一応笑顔みあるのに真顔になる)し、ダントンの声が聞こえると同時にめちゃくちゃ動揺して「サンジュスト!」だし、一方そのサンジュストはマクシムが真顔になった段階で(ダントンが声を出す前の段階で)民衆の方パッ!と見てるんだよね凄すぎない?マクシムのすごい微々たる変化にも即座に反応してるからいつもすごいと思っていた。ほぼ同時だもの、マクシムの「サンジュスト!」からのサンジュストの「その男を捕らえろ!」超レスポンス速い。実際ダントンが生きてるわけではないのであの声はマクシムにしか聞こえていないはずなのにね…

・捕らえられた男の仮面を取ったらダントンで、めちゃくちゃ動揺してサンジュストを呼ぶマクシムの姫度がすごい…このシーンの「サンジュスト!!処刑したのではなかったのか!?…サンジュスト…!?」の2回目のサンジュストの不安げな呼び方最高でした。最高でした…!!

・「粛清されるのはお前の方だ!」からの翻弄マクシム、弱り切ってるし、ここのシーンのリュシルが張り付いたような冷たい顔…微妙に口元笑顔なんだけど全然笑ってないというかあの絶妙なみちるちゃんの表情めちゃくちゃ怖くて大好きだった。

・後ろからスススーーッと出てきてセンターにいるデムーランの後ろに板付するマリーアンヌ、後ろから出て来るときは大体いつも悲しそうな顔してるんだけど板付してスポット当たる直前に菩薩のような顔をするのね。2階からだと特に見やすくて良かったんだけれど、あの優しげな顔もこれから行う行為への覚悟を考えると胸が張り裂けそうだった毎回。

・マクシムの「無事でよかった…!」が回を追うごとに切実さを増していって、後期なんてもう本当にマリーアンヌがいなかったらこの人今すぐ壊れちゃうんじゃないかなっていうくらい脆くて。

・抱きしめられたマリーアンヌも菩薩顔のまま一瞬、それでカッと目を開いてからの二刀流でマクシム襲うところの…初期はそうでもなかったんだけど中期くらいからどんどん込み上げて来る気持ちを抑えきれなくなってきてて、後期は辛そうな顔してる日もそこそこ多くて。辛かったな。

・マリーアンヌがマクシムを組み伏せて短剣を振り上げてめちゃくちゃ泣きそうな顔してる日があって、もうこっちまでしんどみがすごい。何を見せられているんだみたいな気持ち。2/4だったはず泣きそうな顔で短剣振りかぶるマリーアンヌ。あの日の彼女は特にセンシティブ。2/6の時に刺せなくて短剣落とした後の「出来ない…」がマイクに入ってたんだよね…あの日はボロボロ泣いていたはず。こっちが胸にナイフ刺された気分だったよ…

・マリーアンヌが取り押さえられた後サンジュストがマリーアンヌは貴族であなたを付け狙っていた、って言って連れてけするところ、2/8くらいからマクシムがずっと首をふるふる振りながら「ダメだ、やめろ」って小声で呟くのがマイクに入るようになって、そこからの爆発したような「やめろ!彼女をどこへ連れて行く!!」の必死さがもう見てらんない最高(有難うございます)

・2/4だか2/6くらいからマリーアンヌを連れていかれて取り乱すマクシムに対してサンジュストが呼びかける「マクシム!!」がマイクに入るようになってて、マクシムが取り乱しまくってるのを見るな!散れ!って民衆にしてるとこと合わせて臨場感マシマシで良かったな…どういう判断で今まで聞こえなかった台詞がちゃんと聞こえるようになっていったのか分かんないけど、ああいう判断本当にGJ!

・「全てを失って」のところのマクシムの情けなさMAXなところが初期からずっと大好きで、下手舞台袖近くにあのトンチキな衣装のまま客席にお尻向けて丸まってうわぁーーーー!!!って泣いている姿にめちゃくちゃ萌えていたんですけど、新公であやなマクシムが客席に頭向けてたから新公後しばらくは客席にお尻向けてくれなくて残念な気持ちだった。千秋楽付近はだいぶ元に戻っていたけど、初日付近の尻向けアングルが一番情けなくて好きだったな…。完全に好みの問題なのでかっこいい望海さんが好きな人はあのシーン嫌だったのかもしれない。

・「全てを失って」の

♪信じた友を殺し 愛した人もいない 世界で私はどこにも行けない

辺りの歌声が凄く好きだった。

特にいないの最初の「い」と、どこにもの「こ」と行けないの「い」

あと望海さん結局千秋楽ライビュまで明確に泣いてるってわかる日ってなかったと思うんだけど、ここはいつ聞いてもめちゃくちゃ泣いてる声で歌っていて毎回すごいなあ…ステータスを歌に全振りしてるとしか思えない表現力の奥行きやべえなぁ…と思いながら聞いていた。あんな声で不調の真彩ちゃんをカバーしながら公演期間ずっと歌自体の圧が弱まらなかったの意味がわからないどういう喉してるんだろうあの人。

・「粛清されなくてはならない者がいる…」の力なさ萌えてくれと言われている気しかしなかった。ラスト1週間は特にそこのところの力無さが尋常じゃなくて完全に抜け殻マクシム…千秋楽は更に空っぽだったなあ…。


◆第16場A 熱月

・「粛清されなくてはならないものがいる」からのフーシェの「決まっているだろう!俺のことだ!奴は俺のことを嫌っている!!」がどんどんひどくなって行って、最初見たときには嫌われてる自覚あるんやねwみたいな感じだったけど後期の狼狽え方ときたら隣にいてしがみつかれるポールも「落ち着けよ」っておもわず言っちゃうレベルなんだからおかしい(落ち着けよって言ってたのは1/20)

タレーラン殿下がマクシムを告発しろ、「罪状などどうでもよかろう」って言った後にビョーが「それではクーデターだ!」って言うところ、ビョーの中の人叶ゆうりが冒頭ルイ16世役でまさにクーデター同然にどうでもいい罪状(国王であることこそが罪)で処刑されてるのにそこで叶ゆうりにそのセリフわざわざ言わせている生田くんの拘りすごく感じる。趣味が悪い(褒めている)

・行こう!ってなった時のフーシェの怯えと俺はやってやるぞ!が入り混じった表情好き。


◆第16場B 熱月

・♪1974年テルミドール9日の議会が始まる

のアンサンブル、前期と後期でもう完全に別物。熱量も、厚さも。後半は本当に怖かったものここのアンサンブル。

・弱り切ったマクシムの「発言を、求める」の横顔前髪のハラリ具合含めて芸術的で最高だった。それを断られた時の「どうして…」って顔も好きだったし、まあ総じて顔が好き。

・議長が発言を却下したあとの民衆の

♪暴君を打倒しろ 人殺しを許すな

で上手側議席にいるマクシム派一同が「えっ!?」って明らかびっくりしてて、サンジュストは民衆の方を見回しながら信じられないみたいな顔してるし、ル・バは泣きそうな?なんか本当に狼狽えてるとしか言えない顔してるし、オーギュスタンは兄さん気遣ってるしみんな芸が細かい。

・ビョーに「殺したやつらの血が喉に詰まってるんじゃないか?」って冗談混じりみたいな感じで言われた時のマクシムのああって感じの表情も、民衆が笑ったりしてる中そのままマクシム派のみんなのところに行ってサンジュストに「大丈夫です」されてるところも、サンジュストが懸命に励ましてくれているのにあんな顔して首を横に振ってるところも、全部愛おしく感じるよなマクシム…絶頂から転がり落ちて完全にもう無理って悟ってる人間の顔だもんな。

・下手議員席にいる100期3人組がやっぱりこのシーンでもお互い細かく演技をしていて、ゆめくんのクールな感じが特に好きだったな。3人であーでもないこーでもないしてたり、マクシム派の方指さしてみたり色々やってた。あんまりちゃんとみられなかったからああ言うとこも円盤に入って欲しかった…

フーシェの「粛清しなければならないものとは誰を指しての発言か!」の時のフルマラソン走ってきたの?みたいな息の上がり方興奮しすぎでしょっていつも思ってたんだけど自分が殺されるかもしれないと思いながらそれ相手に訊いちゃうんだからああなるよな…実際相手はめちゃくちゃ首切ってきてるしな。

フーシェにそれ訊かれた時のマクシム、「はっ」とした顔の後になんとも言えない顔するんだけど、その顔見たサンジュストもちょっと…何だろう。不安?心配?マクシムを気遣うような、でも大丈夫ですか?みたいなそう言う顔をしてマクシムの背中に手を置いてマクシムを発言台にどうぞする、そこの一連の流れのマクシムとサンジュストの2人とても好きだった。

サンジュストはあの瞬間までもマクシムを一番に想っているし、でもマクシムの心はもう…最初から?サンジュストを見てないんだよね…悲しい場面でもあるなってサンジュスト目線だと。

・発言台に立ったマクシム、初期の頃は本当に追い詰められた顔して証言を始めていたと思うんだけど、中期は壊れてて薄ら笑いしてる時もそこそこあって、後期は思い詰めていたり薄ら笑いだったり感情の振り幅が本当に大きかったなぁと…あのシーンは発言してる途中に民衆の

♪暴君を打倒しろ 人殺しを許すな

が被ってきて「この恐怖政治の果てに…」辺りからマクシムのセリフがほとんど聞こえなくなる(アンサンブルにかき消されて)んだけど、アンサンブルが被ってきたときに目を瞑って、ときには詰まりながら誰が粛清されるべきか、言葉を選びながら話すマクシムが痛々しくて、そのあと

♪たどり着いた先に 君がいないのなら

からの歌詞がまたもっと痛々しくて、歌い始めたときに証言台を握りしめて、項垂れながら

♪1人生きる意味など 何も残されていない

って言う辺りが本当に最高の極み…

2/10のソワレだったかな…もう完全に糸が切れてしまったみたいな感じの「私は…私の死を望む」があまりに辛かった。マリーアンヌの愛は蜘蛛の糸だったんだよね…ってなった。

・マクシムが歌ってるとき周りがスローになるんだけどフーシェのスローモーションがマジ芸術の範疇で、あんな綺麗に生の舞台でスローモーションするタカラジェンヌ見たことないよ。

目が足りないのでちゃんと見られたのは数回だったんだけど、最初から最後まで同じ速度で、体を反らせて膝をつく直前の動きだから姿勢保つのも大変だろうにあのクオリティ。まなはるの筋力どうなってるんだ。

・マクシムの元に走り寄ろうとして憲兵を振り払うサンジュストのスローモーションもなかなか勢いがあって私は好きでした。どんだけマクシム好きなの?

・マクシムが「私は私の死を望む」する直前からサンジュストが首を傾げながらマクシムを見つめていて、それ言った後も意味がわからないって顔をしていて、本当にここのサンジュストの表情は最高!あんなに表情で語れるなんて!それでマクシムが告発されたら膝から崩れ落ちて何も理解できないって顔するんだよね…朝美絢こわい。素晴らしい。

・「私は私の死を望む」の時、中期以降はもうほぼずっとマクシム笑っていて。これで終わる、みたいなある意味安らかな表情。紗幕が降りて民衆に担ぎ上げられる時も薄っすら笑っていて、中期以降はこのシーンいつも悲しかったな…救いがそこにしかなかったことが。

・後方の紗幕の灯りが消えて舞台前方での反革命派のシーン、またビョーに「ロベスピエール達の処刑は明日」とかそういう台詞を言わせるんだよ輪廻かよ。マクシムの命を脅かす決定的な台詞を全部叶ゆうりに振ってる辺り絶対確信犯だよ一番最初に殺された人だもんな!!

フーシェの「あれは本当に…ロベスピエールだったのか?」「まるで別人だったじゃないか!」はとてもいいセリフで、ここまでマクシムとああいう絡み方させてきたフーシェに敢えてそれを言わせるとこかまた生田先生ェ…って感じ。

殺されそうであんなビビってたのにマクシムがあの状態になったら「あんなのロベスピエールじゃない」ってなってしまうところがなんか辛い。反対派ですらカリスマ性を失ってしまったロベスピエールに違和感を覚えてしまうなんて。


◆第17場 牢獄

・投獄されたマクシムがマリーアンヌに気付いて、「明日刑を受ける。…私が憎い、か。」って言うところ、初期は「私が憎いか?」って感じで、中期は「私が憎いか(断定)」って感じで、後期は「私が憎い、か(若干自嘲気味)」って感じだった後期の言い回しがダントツに好き。もちろん日によって違うけれども。

・それを受けて「えぇ…憎いわ…」って答えるマリーアンヌは声が出なくなってからの詰まった感じが本当に良かった。「私は家族を2度奪われたのよ!家族だけじゃない。私の…恋人まで」でマクシムが後ずさった日があって、この「私の恋人まで」の中にマクシムも含まれているのが本当に辛くて。マクシムも感じたんだろうな。貴方自身の革命に貴方自身を奪われてしまったというマリーアンヌの心の叫び。

・「初めから私を殺すつもりで」からのマクシムのマリーアンヌ問い詰めの時、中期以降のマリーアンヌはよくとても辛そうな顔をしてマクシムの問い詰めに返答をしてた。

・「滑稽なものだ…自分を殺そうとした女に恋をしたなんて!…教えてくれ、私と君の間に、真実と呼べるものが一つでもあったのか?」の時のマクシムの投げやり感、やり場のない怒りとか悲しみとかが強かった。言われたマリーアンヌが毎回(特に後期)本当に辛そうな顔をしていて、大体いつもこの辺りから泣いていることがとても多かったんだけど、「一つだけあるわ」「あなたを愛してしまったこと…」の時に流す涙が本当に大好きだった。千秋楽ライビュではよく見えたから余計…東京後期のマリーアンヌは、ここに至るまで、彼を殺せなかったことも含めてきっと牢獄の中でも何度も何度も自問自答して「愛してしまった」と自覚してしまっている1人の女だった。

円盤はセリフは同じでも全く愛してる感伝わってこないし、1人の女になれていないので全くラブストーリーに見えないのが難点。

「あなたを……愛してしまったこと……」って、愛してしまったの前にタメが入るようになってからの良さが尋常じゃなかった。そこから続く「愚かよね…」だから胸が痛い痛い。殺そうと近づいたのに殺すどころか愛してしまって、でも同じように殺したい気持ちもあって。

・マリーアンヌの告白を聞くマクシムが眉を下げてる表情好き。「愚かな女なの…」って項垂れるマリーアンヌを見て「愚かなのは私の方だ…!」って走り寄る姿も好き。

・「理想や願いなんてものに意味はなかった」「違う、それは違うわ」のシーンでバックに流れている曲があのポンヌフでマクシムが初めてマリーアンヌと心を通わせた「理想と願い」のシーンの曲なの最高としか言いようがない。あの曲に合わせて「もしも普通に巡り逢えていたら…」からのifルート会話、毎回2人とも鉄格子越しにそんな未来があったら、って希望に満ちた顔で話をして向かい合って見つめあった瞬間に音楽が途切れて真顔になった上で

「いいえ、きっと出会うことすらなかったわ」

「あぁ、お互いの存在すら知らずにいただろう」

宝塚にありがちないifルートでのハッピーエンド妄想すら公式が潰してくる神作品がコレだよ!!!!!!!!!!!(あの世で幸せに、とか違う人生だったら幸せに、とかそう言うのすら許さない生田大和の徹底的な構えに感謝)

あの向かい合った瞬間にお互いはっと我に返って「そんなことはありえないんだ」って気付く瞬間の表情が大好きだった。これ下手に座らないと2人の顔両方見られない優しくない仕様だったので、前期上手席が続いていた時は望海さんの顔が見られなくてどんな表情してるのか常に悶々としていた。「ないな」ってなったあと2人が寂しそうに微笑んで「出会うことすらなかった」「お互いを知らなかったろう」っていうところ好き。

・「それでも、もしも…」って言うマリーアンヌに釈放が告げられて、告げられたのを聞いていたマクシムが初期は普通に?喜んでいたのに中期くらいから祈るように手を組んで身体を折って笑いながら喜ぶようになっていって、どんどん喜び方が大きくなっていって、そこからの満面の笑みでの「それでいい、生きるんだマリーアンヌ!」、マクシムが子犬みたいに喜んでいて、それに対比するようにマリーアンヌは「でも…」「行けない…」とか言いながら(マイクに入ってる日もあったけど基本口がそう動いてるのを確認しただけです)泣いていて。ここの2人の感情のコントラストがあまりに美しくて、色で見えたらさぞかし綺麗だろうといつも思っていた。

「君に出会えたことに後悔はない。………ありがとう」の言い方、ありがとうのタメは千秋楽が至高すぎて。いろんなものに翻弄されて己すら見失っていたマクシミリアン=ロベスピエールがあそこでしっかり自分を取り戻してるんだよね「ありがとう」で。マリーアンヌも後期このシーンボロ泣きすぎだったし分かるよ…人間として死んでいくマクシムに生きろって言われるんだよ愛してるって自覚した人に…マリーアンヌ視点だとこの世の天国と地獄をまとめて口に突っ込まれてるみたいな場面だよ。

・「今」のリプライズ、マクシムの

♪さぁ もう一度見せて欲しいんだ ただ君の笑顔だけでいい 他に何もいらないと思える

が、2/4辺りからもうほんっとにどんどん優しくなっていって、こんな優しい声で世界一憎んでいて世界一愛する人に歌われるマリーアンヌ…2/4の歌い方が一番優しくて一番大きく包んでくれていたと今でも…思い出される…千秋楽も同じくらい優しくて大きかったな…

・♪もう離れることなどできない

のところで抱き合ってるんだけど、マクシム…というか望海さんの身体が内側からすごい反響してるのが視覚からでも分かって、あの音を抱き合いながら受け止める真彩ちゃんが正直めちゃくちゃ羨ましいと思いながらずっと見ていた。あんな楽器みたいな歌い方する人いる!?胸の辺りで明らかに音が響いてる歌い方してた。

真彩ちゃんの声が出づらくなってからはずっと、この場面も抱き合いながら、アイコンタクト取りながら、声の出し方、ブレスの入れ方、伸ばしのタイミング、望海さんがずっと真彩ちゃんに合わせてくださっていてただでさえ大変なのに感謝が止まらなかった…。

・初期はここら辺でマクシムがしゃがみすぎてマリーアンヌとの身長差がほとんどなく、「頼むから足と背筋をしっかり伸ばしてくれ頼む…!」ってずーっとなっていたんだけど、後期だいぶマシになりましたね…何故かマクシムまで膝折する(パンツの横の赤い縦ラインが抱きつく時とかに曲がってる)のは結局千秋楽まで完璧には直らなかったけど、抱きつく時の猫背気味なのは後期本当にマシになったので…身長差が少ないコンビなので少しでも大きく見せて頂きたかったです…

・♪2人で (2人で) 未来へ

でキスするとき、いつもマクシムがマリーアンヌの溢れる涙を親指で優しく拭ってからキスをしていて最後の最後でやっとくる胸キュンポイントだったし、これから断頭台に登るマクシムがこのラストキスで自分の命をマリーアンヌに託しているという人様の解釈あまりにしっくりきすぎて最高だし、2階から見ないと分からないんだけどキスするときに横並びだった2人の影が重なって一つになる照明効果も含めてどこまでロマンティックなんだ!!みたいな感じだし、キスしたあとのおでこコツンも愛が溢れてて大好き。

・マクシムがマリーアンヌを送り出す時にマリーアンヌを前に向かせて軽く肩を抱く場面。1/20下手前方で見た時に「行くんだ」か「生きるんだ」(おそらく後者)って口が動いているのが見えてヒェッてなって以来ずっと下手に座る時にはマクシムの口元を見ていたんだけど下手の端でないと見えなくて、でも見えた時には毎回口がそんな感じで動いていたのでマクシムがマリーアンヌに託した命の重さェ…ってなってた。

・マリーアンヌに何か囁いてからマクシムがマリーアンヌの背中を押すんだけど、前期は愛しくてたまらないものをそっと片手で送り出すという感じ。背中から離れる指先の名残惜しさがすごかった。中期…というか新公後しばらくは、新公のあやなマクシムが両手でものすごい力強さでマリーアンヌの背中を押していたのに多分感化されたのか、力強く押すようになった。後期も結構力強く、でもトーン!って感じで重すぎもせず、本当に「後悔はない」「君には生きて欲しい」っていう願いを強く感じる仕様に変わっていって。初期の優しい感じも好きだったけど、笑顔でトーン!と強く、でも優しく背中を押すマクシムも好きだったな。押した後のサッ!と前を向いて階段を上っていくその後ろ姿も。

・マリーアンヌは押された時、初期〜中期は悲しげに前を向いて歩いていく、そんな感じだったけど、後期…特に2/6以降顕著だったけど、マクシムに背中を押された後一瞬切ない顔するんだけど、一度顔を上げた時には口元に笑みが浮かんでいて。彼の魂とともに生きていくんだ、みたいな表情できるようになっていく様を目の当たりにしたので尊さがすごかった…。一つの公演でこんなに表現の色と幅が変わると思っていなかったので、ものすごい進化を見たと思う。

・最後にマクシムが登る断頭台への階段は12段で、それまで登ってたお立ち台は13階段だったの、演出的にどういう意図があったのかずっと考えているけど答えが出るわけではないのでいつか劇場で生田先生にお会いしたら訊いてみたい質問リストに入れておこうと思う。