ミュージカル「モーツァルト!」を見てきた話。

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モーツァルト!」@帝国劇場

6/9 マチネ

古川ヴォルフ、平野コンス、香寿男爵夫人、大河原アマデ


2007年の中川ヴォルフラスト公演以来11年ぶりの「M!」でした。11年て。

雑感…の前に、個人的になんですけど「モーツァルト!」という作品が本当に大好きで。

元々シンガーソングライターの中川晃教のファンで、その中川くんがミュージカルに出ると。それでチケット取ったんですよね2002年。日生劇場。その時のコンスタンツェは松たか子でした。いまだに覚えている…。

1〜2年前にアウト×デラックスか何かに井上さんが出た時に、「ようやく掴んだ初主演作でまさかのぽっと出の新人に話題を持っていかれてすごく悔しかった」みたいな事を(ニュアンス)話していたのもこの「モーツァルト!」という作品でした。

あの時はミュージカル界のプリンス井上芳雄が満を持して主演をするっていうんで大層話題になっていたのに、蓋を開けたら中川くんが凄いって話になったのもいまだに覚えてるんですけど、W主演のヴォルフガングの2人とも私は大好きで、2005年の再演の時はトータルで7回観に行ったし、2007年の再演の時もトータルで5回観に行ったんですよね…。案外少ないか(;´д`)

いまだに忘れられないのが2005年の中川ヴォルフ×川綱アマデの時の公演で、千秋楽直前だったんですけどあの時の中川ヴォルフの憑依っぷりと川綱アマデの言葉を発さないのに目力がすごくて、それが脳裏に焼き付いているし、2005年の井上ヴォルフ×黒沢ともよアマデもすっごい相性良くて大好きでした。

中川ヴォルフが卒業してからは引越しだのなんだのでなんやかんや観に行けず、前回の井上ヴォルフラスト公演も観に行けず(;´д`)円盤出ただけ感謝だけれど。

今回11年ぶりのM!で本当に本当に楽しみだったんですよね。


そんなこんなで以下雑感。

・ピアノのセットすっげえ…(劇場内に入ってまず第一の感想)

・市村さんは流石に初演〜再再演の時に比べたら多少の衰えは見えるものの安定感は凄い。

・ナンネール和音さん。すごい久々に見た聴いた…相変わらずいい声。初演からの民なので随分と若いお姉さんだな!という感じ

・古川ヴォルフ。いい声はしてると思ったんだけど、声質なのかな?前に声が飛びづらいというか、そういう声に聞こえた。歌は若干微妙かなと…低音の響きは好き。高音域は苦手なのかな?

すごく丁寧に演っているけど、ヴォルフのエキセントリックさには正直欠けるかなという印象。でもこれが初主演だしきっと千秋楽までにもっと進化していくんだよねえ。千秋楽にどうなるかはちょっと見てみたいな。現時点ではちょっと苦手かなという…感じでした…(私の中のヴォルフとの解釈違い。ウェットな感じがしたのでエリザのルドルフ見てみたくなった)

しかしスタイルがいい。動いた時の華はある。「並の男じゃない」なんてもう華やか!って感じだった。

・平野コンスタンツェ。平野綾って声低いんだなあ(声優の声しか聞いたことなかった)随分と強いコンスタンツェで。こっちもコンスとしては若干苦手だった…(申し訳ない)

ヴォルフが魔笛を書いてる時に旅行から帰ってきて「そのままのあんたを愛していたかった」って歌うシーンはグッときた。コンス自体はそんなに出番が多い役ではないけど、気持ちの表現が繊細から激しくなったり振り幅大きくてその振り幅をどう魅せるかっていうのがとても難しい役だと思う。「弱い自分」のコンスは良かった。

・古川×平野の時にコンスの声の方が抜けが良くてヴォルフの声が食われ気味なのが気になってしまった…ミュージカルだと声の相性も気にするんだけどそれどころではなかった…私の座ってた位置が2階後方だったから音響の都合もあるかなあ…

・山口大司教様。初演からの数少ないメンバーの1人になってしまわれた…歌い方の癖あそこまで強かったっけ(;´д`)

スタッカートのクセが特に強いし、テンポがため気味なのも気になってしまった…。ただ相変わらず圧はすごい。圧がすごい。

市村さんとか山口さんはいつまでM!に出演し続けられるのだろう、と少し思ってしまった今回。主演とかシカ様含めどんどん変わっていく中で初演メンバーってどこまで頑張れるのだろう?

・香寿さん男爵夫人。歌めちゃくちゃ上手いんだけど男爵夫人の解釈が私のイメージとだいぶ違うってなってしまった。でもとにかく歌がすごく上手いので香寿さんはこういう男爵夫人できたのかーみたいな…そういう感じ。初演の呪縛から抜け出せない民だから自分自身の解釈とかイメージを更新していかないといけないなぁと強く感じるなどした。「星から降る金」の歌い上げは流石の一言。

・シカネーダー様遠山裕介さん。正直今回1番個人的に良かった!吉野さんからのシカ様引き継ぎは色々大変だったと思うけど、イメージを大きく崩すことはなく遠山さんのシカネーダーに見えて私は大好き。是非今後また再演があるなら(まだ再演始まったばかりなのに気が早い)続投でお願いしたいところ。

チョッピリオツムに、チョッピリハートにの「私の芸術は観客の拍手が好き」であまり客席から拍手が起こらなくてちょっと困惑してしまった…あっまだそこまでじゃない…?吉野さんの時は毎回必ず拍手起こってたからこれからかな…もうすぐ中日だと思うんだけどそこまであったまってきてないのかな(;´д`)千秋楽近くにはわー!っと拍手が起こりますように。

・大河原アマデが上手〜〜〜〜〜〜めちゃくちゃうめぇ〜〜〜〜〜〜そして可愛い〜〜〜〜〜〜目力が強いアマデが好きなので彼も大好き…

・そのほかの出演者では後藤晋彦さんがとても好きだった。とにかく声がいい…ガタイもいい。ガストン出来そう(イメージでモノを言う)

・新場面「破滅への道」は作品をよりわかりやすくする力のあるシーンだとは思った。もっとバチバチに歌で殴り合ってほしい。

・全体的にセットというか演出が視覚的に煩いのが気になってしまった…小池先生スクリーン映像使いすぎなところあんまり好きじゃないし、五線譜みたいなあの柱が出ては引っ込んで出ては引っ込んでするのが見てて「鬱陶しい…」ってなってしまった

・セットのピアノもひとまわり小さくなった…?よね…?サイズ感が。元のサイズの方が良かったな…「ダンスはやめられない」なんかの時にピアノ小さくない!?ってなってしまった…

・あの舞台全体がピアノのセット、ピアノの蓋が開いたみたいになってる時はすごく綺麗で面白かった。あのデザインは好き。「チョッピリオツムに、チョッピリハートに」の時に鍵盤が虹色に光るのすごく可愛かった。どこから出てくるんだああいう発想。

・照明効果が素晴らしかったのは1幕ラストの「影を逃れて」でヴォルフとアマデの影が舞台の後ろに映って、ペンでヴォルフの腕を突き刺すアマデが心底怖く見えたところ。ああいう影の効果に弱い。逃れられない影が今まさに舞台にある!みたいなとこは流石だと思った。

・カテコの後Wアンコールみたいな感じで古川ヴォルフと大河原アマデがちょこちょこ出てきて、銀橋を下手から上手まで行ってセンターに戻ってアマデがヴォルフのピンマイクに顔近付けて「僕のためにありがとうございます」って言った瞬間あまりの可愛さに「可愛い」って声が出てしまった

大河原アマデ反則可愛い。


・今回個人的に消化不良感あって、1番は新演出が気に入らないってところなんだけれども(笑)モーツァルト!は本当に素晴らしい作品だし、きっと千秋楽までどんどん進化していくんだろうから追えないのが心苦しいなあ…

Wキャスト多いので他の組み合わせも見てみたかった。どうか今年のM!も円盤が出ますように。山崎verが見てみたい。

再演を重ねるとこっちの頭もリニューアルしていかないといけないって本当に強く感じたので、東宝も今後また少しずつでも見に行けるようにしたいなー。