宝塚歌劇団雪組東京公演「ファントム」大まかな感想

宝塚歌劇団雪組東京公演「ファントム」

1月5日 15時半

1月6日 11時

1月8日 18時半

1月12日 15時半

1月19日 15時半

1月20日 11時

1月24日 13時半・18時半(新公)

1月26日 15時半

2月1日 13時半

2月3日 11時

2月9日 15時半

2月10日 11時・15時半(ライブビューイング)


完走しました。

昨年末に大劇ライビュを見た時に歌は上手いけどあまりの芝居の噛み合ってなさに腹を立てたりしつつ年始を迎えたので、マイ初日を迎えるまで非常にナーバスだったのですが、東京公演はマイ初日には「通える!」と思いました。

思ったんですけど、いざ通い始めてみると期待と目の前で繰り広げられる舞台とのギャップにかなりしんどくなってしまって、今までで一番通うのが辛い公演になってしまっていましたね…。今の体制の雪組でこんな思いをするとは考えてもいなかったのでなんというか。チケットがない中、ものすごく必死でチケットをかき集めたので余計にしんどくなってしまった…

でも千秋楽付近にはそこまでの苦しさを見ている最中は忘れられるほど素晴らしく深化して、やっぱり今の雪組で「ファントム」が上演できたことは奇跡だなぁとも思いました。良いものが見られて良かった。本当に。神様と宝塚歌劇団に感謝しなければ。ずっと語り継がれる作品になったと思います。

同時に「ファントム」という作品が演者の解釈と表現によりここまで違う作品に見えると言うことも知れました。役替わり公演や新公前後の変化も含めて。

途中休演者もあったり、インフルエンザが流行る時期に本当に演る方も見る方も大変な公演だったと思います。

この公演に関わった全ての皆様に、本当にお疲れ様でしたの気持ちでいっぱいです。

以下雑感。


◻︎望海さんのエリック

「望海風斗のエリックがこの世に誕生した」ことが今回の再演の最も素晴らしかったところだと思います。

私は和央さんと春野さんのファントムしか見られていないのでファントム全てを語れるというわけでもないけれども、毎日舞台の上でエリックとして生きる望海さんは何度見ても心が震えるものでした。

大劇は見ていないので東京公演のみの感想になりますが、最初のBパターンの時は本当に子供で。エリックが。5歳児だなぁと思いながら見ていて。

キャリエールに対して「オペラ座を監視するのがお前の仕事だろう」と言った後に「新しく支配人になる男は幽霊の存在を信じるかな?」と言う時の素直さや無邪気さ?とか、本当に幼くて。

1番幼さを感じたのはクリスティーヌを森に連れて行く場面。「僕の、領地をね!」の腕の広げ方だとか、「ここが最も素敵な場所だから」とか「詩は好きかい?」の語りかけ方、クリスティーヌに詩を読ませておきながら彼女が止まったら本を取って続きを諳んじて「あとで読もう!」とか次から次へと自分の言いたい事を相手に投げつけるみたいなところ、本当に子供みたいでしたね。クリスティーヌに逃げられてからの泣き崩れ方も例によって望海さんの「本当に泣いているようにしか聞こえないんだけど泣いてない」歌唱が絶好調で…この場面に関して後半のグズグズでもはや歌ではないみたいに聞こえるのにちゃんと歌になっているのが好きでした。

Aパターンの方がシャンドンの影響なのか、エリックの年齢が上がるんですよね。私は前半Aは1回しか見られなかったんですけど、Bのエリックとあまりに年齢が違う…最初に見たBエリックは5歳〜7歳くらいに見えたけど、前半のAエリックは10代くらいに見えたので。

前半Aシャンドンがエリックを10代に引き上げた影響か、後半Bエリックも10代から年齢下がらず。24日にはもうほぼ20代、私が見た中で1番大人だったのは26日でした。年齢が変わるとファントムの景色が変わって見えるという発見がありました。エリックが幼ければこちらの庇護欲的なものの掻き立てられ方がすごくて、エリックが大人であればその嫉妬(シャンドンに対する)が怖くなったりとか。望海さんはいつも、その時の自分の感情を素直に舞台に乗せるので、見るたびに違うエリックで「今日はこんな感じか!」ってなったりしがちでその危うさが私はとても好きです。

感情の深さが1番好きだったのは1/24の11時、幼さが1番好きだったのは1/5の15時半、幼さが覗く青年エリックとして1番好きだったのは2/9の15時半と千秋楽です。

演技が劇的に変わったというかエリックの優しさが溢れ出るようになったのは2/1の13時半。


◻︎真彩ちゃんのクリスティー

私が通うのしんどくなってしまった1番の理由が真彩クリスティーヌの演技でした。

私自身は真彩ちゃんのことが大好きだし、天使の歌声だと本気で思ってはいるんですけどそれはそれで、大劇版は見てないから分からないけど東京のクリスティーヌはとにかく何を考えているのかよくわからない。

1幕はまだ良かったんですけど、2幕を見るのが毎回本当に怖かった。エリックストーリーでなにを考えているかわからないからエリックのことをいつ好きになったのかもよくわからないし、エリックが仮面を外すとは到底思えないあの北風のような「仮面を取らせてみせる!!」みたいな力強すぎるMy true loveを聞くのも、子守唄に聞こえない最後のYou are  Musicを聞くのも怖かった。暖かい日差しのような、母の愛のようなMy true loveを求め続けて、後半1週間にそれを得られた時にエリックがあんなに喜んでいるのをようやく理解できました。

大体クリスティーヌは「顔を見せて」って言っておきながら顔見たら逃げるっていう時点でひどい女と思われがちなので、そう思われない程の「真の愛」をエリックに示していかないとファントムという話に共感ができなくなるんだなぁという気付き(遅い)

あの逃げ方も最初は仮面の下の顔に恐怖して逃げているようにしか見えなかったんですけど途中で変わって良くなりましたね。あれは顔が怖かったんじゃなくて「彼女に愛されている」と思ったエリックの気持ちの重さに思わず後ずさってしまうクリスティーヌで大正解。後半は本当に良かったな…

19日に見た時に少し柔らかく球体に近いMy true loveが聞けて嬉しかったんですけど、その後2/1に見るまでずっとエリックを溶かしそうな灼熱の太陽をひたすら広げるみたいな歌い上げ方をしていてずっと何でだよ!!って思ってました。私はMy true loveでエリックを包んで欲しかっただけなのにそれが見られたのは最後1週間だけだったな…最後の1週間は本当に文句なかったです。千秋楽は史上最高のクリスティーヌとして私の心の宝物にしたいと思います。

My true loveが1番球体に近かったのは1/19の15時半、クリスティーヌとして至高だったのは2/10です。


◻︎咲ちゃんのキャリエール

今公演1番の功労者と個人的に思っている咲ちゃんのキャリエール。ファントムの再演が決まったその日から、キャリエールをやるのは咲ちゃんしかいないと思っていました。

最初から最後まで1番安定していて、1番暖かく、望海さんもインタビューなんかで言っていた通りまさに「愛」そのものな咲ちゃんキャリエールは本当に素晴らしかったです。

若干不安だった歌も問題なく、You are my ownはもう望海さんと咲ちゃんでしか考えられないくらい好きでした。後半はもうエリックに対する愛しさが滲むどころか溢れ出していて…!

シャンドン&ショレの役替わりで望海さんはすごく影響を受けて変化がすごかったけれど、咲ちゃんもベースは崩さずそれでも相手によって空気が変わるところが好きでした。あーさシャンドンには息子に向けるような温かさを、翔くんシャンドンには旧知の仲である雰囲気を。ビストロでシャンドンと会うシーンはあーさと翔くんで随分と対応が違うので初見の時にちょっとびっくりしました。

相性としてはAパターンの方が噛み合っていたかなと私の好みでは。

エリックストーリーでは新公前と新公後で随分語り口調に差が出たので新公後の方が絶対的に好き。キャリエールはあの作品の中で1番悪い事をした人間だけれども、エリックの最期一緒に地下に潜る場面は私の中ですごく大切な場面になりました。キャリエールを赦したくなるほどに。

全体的な良さにびっくりして嬉しかったのは1/8の18時半、その後より感情が乗ってお父さんみがさらに増したのは2/1の13時半、ベストアクトのキャリエールは2/10です。


◻︎翔くんのショレ

新しいアプローチのショレ可愛かった〜!!

役替わり公演なのでWキャストの相手と被らないように魅力的なキャラを作り上げるのは本当に大変だったと思うけど、「怖がりなアラン・ショレ」のお陰でカルロッタというキャラクターの新しい魅力も引き出されたと思うので見事としか言いようがないです。

登場シーンからカルロッタへの愛情表現の全てを打ち返され投げ返されそれでも奥さんが好きなのも堪らなかったし、Bカルロッタは性格が結構キツい女だったと思うけれども、同時にものすごく仕事ができる女で、ショレはそんなところも含めてカルロッタを愛していたんだろうなあと見ていていつも思えました。カルロッタの大ナンバーの時の奥さんヨイショ具合はBパターンの方が好き。後ろの劇団スタッフとの噛み合い具合も、きっとみんなですごく相談してああいう感じになったんだろうなと。

オペラ座がああいうことになって、Bのショレはこの先きっと失意のうちにオペラ座を去ってしまいそうだなという感じがとてもしました。

ベストアクトのショレは…いつだろう…常に可愛かったから翔くんのショレはいつ見ても良かったです。


◻︎翔くんのシャンドン

翔くんのシャンドンはまさに光。

エリックの闇との対比が凄まじく、翔シャンドンが光り輝く程にエリックの闇が深くなるのが見ていて最高でした。エリックには申し訳ないけれども。

前半は1度しか見られなかったので主に後半Aシャンドンでの比較になってしまうけれど、Aシャンドンは生まれも育ちも品が良く、誰かを蹴落としたりそういう事はしないで育ってきて、美しいものに目がないと言ってもそのどれかに特別に入れあげる事はしないで全てに平等な光の使者として生きてきたみたいなイメージ。だからこそエリックが心の底から嫉妬するし、子供ではなく大人みたいな嫉妬心が見えやすくなったのかなと。

それが分かりやすかったのは最初のパリメロ。出会ったばかりのクリスティーヌにさらっとウインクしながら名刺を渡して、腰を抱いたりするけどいやらしさはなくて、ソレリにも優しい。

それとビストロ。あの場面、カルロッタが先陣を切って歌う時に周りがほぼみんな嫌そうな顔してるけれど翔くんシャンドンは普通にニコニコしながら聞いてるんですよね。キャリエールなんてスンッ…て顔してるのに。ちゃんと拍手までして。

そんなシャンドンが、ビストロでエリックに導かれてクリスティーヌの本領発揮した歌声を聴いた瞬間まさに恋に落ちるのが見てわかるほどって本当にすごい事だったと今思い出しても思うんですよ。

今まで全てに平等だったシャンドンが、たった1人を特別な目で見るようになるその瞬間。翔くんだからこそ、だと思いました。

クリスティーヌも思いもかけぬ君で翔シャンドンには恋してるような瞳をするのが印象的。

あと従者たちとの殺陣、特にサーベル奪ってからの殺気というか緊張感が凄かった。あゆみ姉さんの喉元にドンピシャで手刀叩き込むのも、銀橋でしゅわっちとうえんつとやり合うところも大好きでした。

シャンドンとエリックの光と闇の対比がえげつないな、と気付いたのは2/1の13時半、ベストアクトシャンドンは2/10です。


◻︎あーさのシャンドン

初見の時にあまりのギラギラな眩しさにびっくりしたあーさシャンドン。キラキラではなくてギラギラ。

「美しいものには目がない」の意味合いが翔シャンドンとはかなり異なって、本当に美しいものにしか興味がない感じのイメージ。自信家で、望むものは全てその地位と財産で手に入れてきた、そんな感じの佇まい。役替わりって面白いなぁとAB両方見て痛感しました。

あーさのシャンドンはクリスティーヌに恋してからの一生懸命さが特に印象的で、翔シャンドンより少し年齢が若いイメージでした。実際は設定的には同じなんでしょうけど。

ビストロの場面でキャリエールと会う場面も、キャリエールは「もしエリックが普通の顔に生まれていたらこう接するのかな」みたいにシャンドンに接しているように個人的に感じたので(特に前半Bパターンの時、後半はそんなでもなかった)、同じシャンドンでも関係性の違いが見えて…。カルロッタの歌に対する苦笑いは翔シャンドンからは出てこないものなのでここもキャラクターの違いが顕著に出てましたね。

それとあーさシャンドンは「クリスティーヌが憧れる伯爵」だったなぁと思います。恋する瞳で見られるというよりは、憧れのあの方、みたいな雰囲気。その後のエリックのソロナンバーも雰囲気変わってくるのでこの場面のABの違いは面白かった。

後半のBシャンドンはエリックに対するバチバチ度がすごく上がって、特に1/20に見た時にラストの立ち回りの時の「クリスティーヌは絶対に渡さない!」という強い意志が感じられたのが個人的にとてもツボでした。Bシャンドンは欲しいものは自分で掴み取るタイプのキャラクターに見えるから、エリックが「彼女は僕のもの」という気持ちを強く持てば持つほど「いやそれは違う!」っていう感情が強く出てくるのが対比として見事でした。

ラスト、クリスティーヌが亡きエリックを思って歌う時、Bシャンドンはきっともう彼女を追うことはしないだろうなと思える役作りだったのでそこもAシャンドンとの違いとして覚書に残しておきます。

前半Bシャンドンがあまりしっくりこなかったので、後半Bシャンドンのギラギラがキラキラに変わって青年みが増したエリックとのバチバチのやり合いがすごかった1/20がベストアクトあーさシャンドンです。


◻︎あーさのショレ

小物感が漂うあーさショレ、ちょっと地黒で成金っぽさがあって、猫かぶってる妻カルロッタを本気で可愛いと思ってそうなところがとても楽しかったです!

翔くんショレは可愛いがまず見ていて先に来たけれど、あーさショレは面白いが先に来ました。どっちも私は好きです。

今回の役替わり、シャンドンよりショレの方が2人とも生き生きして見えたので。

Aのカルロッタは本当に可愛い奥さん。全然役作りが違うので当然ショレも対カルロッタが全く違って、Aショレはカルロッタとラブラブ!最初にBを見ていたのでここまで違う!?とびっくりしたほど。

支配人室でカルロッタがお化けがいるのよ!って言った後のキャリエールのせいだから心配いらないっていって2人で向かい合って笑いあうシーンだとか、カルロッタの大ナンバーのあとの「春のようだ」の場面もBショレほど狼狽えてなく割とドーンとしていて、団員の反応もBショレは「えっ!?」て感じでしたね。Aショレは「ズコー!!」って感じだったので。捌ける場面も特に後半どんどんアドリブ入れてきてああいうのが私は大好きなのでもっとやって!!と思いながら見ていました。

雪の日に「春が通るぞ〜!」みたいなの言って「雪降ってるわよっ!!」って言われたのが好きだったな。千秋楽の「俺についてこい!」「まぁ嬉しい♡」も。

かわいいカルロッタが見られたのはあーさショレのおかげ!!

ベストアクトは2/10かな…2/3も良かったけど2/10で。


◻︎ヒメのカルロッタ

こんなにABで性格違う!?と思った今回のファントムのキャリエールと同じくらいの功労者。ヒメが今の雪組にいてカルロッタやってくれて本当に良かった。

奇跡のキャストですよ本当に。「今の雪組のファントム」にヒメカルロッタ以外はもう考えられない。

Aカルロッタは猫かぶりで旦那様とラブラブカルロッタ。ショレはカルロッタが綺麗な子をいじめたりするような女だって思ってないというか、そういう面をショレの前では出してないんですよね。Bと同じくらい中身はキツい女だけど、ショレの前ではそういう本性を出さない。

だから「夜のために着替え」の場面の登場シーンでもショレの投げキッスを普通に受け取って自分もそれを返すし、カルロッタの大ナンバーの前、支配人室で「お化けがいるのよ〜」の場面も言い方がとても可愛い。甘えた風に「私を脅かすのよ〜」って。劇団スタッフを追い出す場面でもそこまで言い方きつくなくて、「出て行って!」のあとのため息が心底「ほんっと猫かぶってんの疲れるわ!」感が溢れ出てる「はぁ〜〜〜〜!」で笑っちゃうくらい。ギャップが!笑

エリックに殺される場面も前半Aカルロッタは1度しか見られてないけれども、エリックに対して怯えてたんですよね。後半Aカルロッタはそこまで激しく怯えてはいなかったけど、それでもBよりはエリックに怯えているカルロッタでした。

Bカルロッタは旦那様に性格きついことを隠さない仕事ができる女のカルロッタ。私はBカルロッタが大好きでした…最高にカッコよかった…。ショレの前でも「私はこのオペラ座を支配するためにはなんだってするわ」という部分を隠さないので見てて気持ちよかったのもある。そしてショレも、カルロッタがそういうしっかりとした女だから大好きなんだなぁと見ながらいつも思ってました。あんなに最初の「夜のために着替え」から何から何まで投げキッスを投げ返され続けてもずっと奥さん大好きだったショレの可愛さも引き立っていたし、B最終日に愛をちゃんと受け取ってもらえていたようで良かったね!しかないですね…。

カルロッタの大ナンバーの前に控え室で「お化けがいるのよ」の場面でヴァレリウスと背中合わせになって「キャーーー!!!!!!」ってやるのが大好きで、あの場面から見えるカルロッタとヴァレリウスの関係性が好きだったのもBカルロッタ贔屓なのはある…その後のカルロッタの大ナンバーでも「ほかの役の人が少しでも目立つことはこの私が許さないわ!絶対!」のところめちゃくちゃ力強かったですねAカルロッタより。「春のようだ」の場面もAカルロッタは「つまり冬だ」って言われた時にドレス抱えてえーんって泣くフリをするけど、Bカルロッタはドレスを投げ捨ててからの「嘘ついてないでしょうね!?」だからめちゃくちゃ強い…あれはもはや雪や氷を割って地面から出てくるふきのとう並みの強さ、つまり春のよう。

エリックに殺される場面、Bカルロッタはすごい凛としていて、理論的に正論でエリックを殴っていくところがすごい好きでした。「ここはあなたのオペラ座じゃない」っていう強い意志が彼女を殺すことになるんだけれど、エリックとバチバチしてたのでここもBカルロッタの方が好き。全体的にカルロッタはBパターンが本当に好みでした。

ベストアクトはBパターンは青年エリックと死の間際バチバチやりあっていた1/26の15時半、それとAパターンはショレとのラブラブを貫き通してくれた2/9〜2/10!

私もカルロッタ様強火になりたかった〜!!


◻︎ひらめちゃんのベラドーヴァ

暖かい日差しのようなベラドーヴァ、ひらめちゃんが演じてくれて本当に良かったと思っています。最初のうちはあの歌もちょっと不安かな?と思っていたんですけど、始まってみたら愛情に満ち溢れた澄んだ歌声で最高でしかなかった…。

ファントムは歌が物語だから、愛情を歌声に乗せて語れることがこんなに大事なんだとベラドーヴァを見ていて思いました。

エリックストーリーのあれだけの出番で悲劇を演じ抜き、エリックが「彼女の歌声が生んだ天使」だと思わせてくれたので…

見てる時大体いつも泣いてて、綺麗な涙が目頭や頬を伝っていたのも印象的でした。

好きだったのは、人形の赤ちゃんエリックを見つめるもはや正気なのか分からないけど自分の子供を本当に心から愛おしいと思っている目線。それと最後あみちゃんの子エリックと綺麗な頃の姿で寄り添う姿。

美しい母の姿だったなぁと思います。

ベストアクトは…選べないないつも素晴らしいベラドーヴァでした。


◻︎従者

従者を見たいが為に色んなところを見逃す羽目になったりしていたので本当にやめてほしいいいぞもっとやれみたいな感じになっていました。

今回の再演では雪組が誇る6人の精鋭を揃えて…「僕が食べるものを用意してやらなかったら飢え死にしてしまう」とは到底思えないハイクオリティかつそのまま普通に生きていけそうな従者の皆さん本当に素晴らしすぎて…劇団さん円盤に従者アングル入らないんですか?正気ですか!?引きの映像の別撮りでいいので売ってください言い値で買おう!!そんな感じ…

個人個人にしっかり感情があり、エリックの保護者のような、共同体のような。目が足りなかったので見ていたのはあゆみ姉さんとジジくんとしゅわっちが主でしたが、ひーこもあがたんもうえんつもすごく良かったと思います。

あゆみ姉さんとひーことジジくんのリボンが同じだったりとか、あゆみ姉さんがエリックのこと好きすぎて泣きそうな顔をしていたりとか、ジジくんがカルロッタの発声練習に尋常じゃない取り乱し方しててそれを大丈夫?って気遣うあゆみ姉さんとか、シャンドンとやりあった時にサーベルを奪われてサッと短剣を取り出して戦い続けるあがたんとか、剣持ったままマントで側転2回する皆さんとか、クリスティーヌをお姫様抱っこするしゅわっちとか、もうどこをどう見ても見所しかない凄すぎて言葉も出ないレベルの従者の皆さん、100回を超える公演であのクオリティを最後まで保っていたのが人間技じゃなさすぎてびっくりする…。

ベストアクトは全公演!でも千秋楽の鬼気迫る感じはやり切るぞ!感あってすごかったです!!


◻︎劇団員の皆さん

絶対言わないといけないのは劇団員(スタッフ)の皆さん。私が個人的に大好きなうきちゃん、あんこちゃん、あいみちゃん、まっちー、叶ゆうり、たわし。

カルロッタの大ナンバー前のみんなが愛しすぎて可愛すぎて時間を巻き戻せるならあの「カルロッタ様っっ!!」の場面を悔いなく舐め回すように見たかった…目が足りなかった…みんなが好きなようにやりすぎるから大体叶ゆうりとたわし見て終わってしまったなんて勿体ないことを。

個性が強すぎて喧嘩してるようなメンバーだからこそあの場面やカルロッタの大ナンバーで個性が本当に生きてくるし、ビストロでもみんな比較的やりたい放題やっていたので目が…目が足りませんでした…叶ゆうりとうきあんこの2人を見て終わっていたビストロ…日替わりアドリブ可愛かった…。

控え室に初めて来た時に叶ゆうりが歌う歌がネットでもかなり話題になっていましたが、私は「夜の女王のアリア」が聞けたので満足です。すごく聞きたかったので。

あとたわしが模型をもって指を歩かせる「タカタカタカタカ」の場面が千秋楽に近付くにつれてどんどんうるさくなっていって(笑)面白かったな〜たわしのそういうところが大好きでした。次から雪組を見てもあの笑顔のたわしはどこにもいないんだなぁと思うとこれを書きながら泣きそう。

ビストロではやたらと周りの人と乾杯したがる叶ゆうりとかテーブルの上のお皿を抱え込んで食いしん坊キャラしてる叶ゆうりとかをずっと見ていたんですけど、食いしん坊の叶ゆうりはお皿をテーブルに戻した途端にうきちゃんにつまみ食いされて「アッ」ってなってたりしてそういうところも可愛かったですね…。

カルロッタが先陣を切って歌ってる時、うきあんこの2人がずーーっとイチャイチャ(語弊)しているのも可愛くて。

あんこちゃんが耳を塞いだらうきちゃんがやめなよ!一応上司だよ!みたいな感じでやめさせて2人で死んだ目をしてカルロッタの歌を聴いていたりとか、歌い終わりに死んだ目をしたあんこちゃんにうきちゃんが一応拍手を促してすごい適当に拍手してたりとか。ある日は2人で「聞き苦しいよね〜」みたいな顔しながらお互いを指で突きあっていたりとか、ある日はうきちゃんがあんこちゃんの耳を塞いであげててあんこちゃんが嬉しそうにしてたらうきちゃんが突然手を耳から外したのであんこちゃんが「!?」みたいになったりとか。もう本当に見てて飽きなかったから別アングルで収録して売ってほしい…(すぐ売ってって言う)

カルロッタが歌い終わった後に「次は誰だ!?」ってなった時に最初の方はあんまりみんなそこまで挙手してなかったのにある日気づいたらみんなはいはいはーい!!みたいに挙手するようになってて「こんなんだったっけ!?」ってなったりしました。

シャンドンがクリスティーヌを推したせいで選ばれなくてめちゃくちゃほっぺ膨らませてむくれてる叶ゆうりが可愛かったし「まぁまぁ…」みたいになってるうきちゃんも可愛かったですね…映像にはきっと残らない…モブ芝居まで雪組は最高に楽しかったんですよこう言う記録を私が楽しいから残しておきたいと言う気持ち。

他は名前付きの劇団員。

リシャールのカリ様はおーじくん警官に対するファンサの場面がすごい好きでした。最初のうちは軽く手をあげたりウインクしたりしてるくらいだったのにいつのまにかファンサの鬼みたいになってて私は見られてないんですけど握手してる日もあったりしたようで。そりゃおーじくんも推しにそんなファンサされたらテンションも上がりますよね…

セルジョのひとこちゃんはカルメンの時のエリックとのやりとりの場面がすごい面白かった!あそこまでフラッフラでターンする永久輝せあを見られるのはファントムだけ!!みたいな…感じに…(笑)カルメン終わりでエリックと向かい合って「僕が本物だ!」みたいにやる場面もカルロッタに持っていかれてて不憫な感じでしたけど美味しかったかなと。

ラシュナルのあやなちゃん。カルメンの場面でマント捌きがすごい!すごいブワッてマントが綺麗に広がるのがすごく綺麗で気付いた時に感動しました…。割と後半まで気付かなかったの勿体無いことをしたと気付いた時に後悔しました。

あとはなんといってもビストロ!シャンドンがきて、シャンドン隊の女の子たちがみんなシャンドンの方に行ってしまうのを最初のうちは特に思い切り引き止めもせず、「相手がシャンドンなら仕方ないかな…」みたいな感じが見て取れたんですけど、1/19に見た時に初めてビストロで絡んでいるゆきのちゃんの腰を抱きとめて「そっち行かないで僕と話そう」みたいなのをやってるのを目撃して一気に体温が上がりましたね…あれはすごい…。ビストロではカリ様とシャンパングラスをふたつずつ取って、ひとつは自分とカリ様で乾杯してひとつはゆきのちゃんに渡したりしててラシュナル死ぬほどモテるでしょ…みたいになったりはしました。

劇団員(ダンサー)は、やっぱりずっと叶ゆうりとまっちーとたわしばかり見てしまっていたので他の記憶があまりございません。

マントの紐を結べないままずーーーっとぐちゃぐちゃしてる叶ゆうり面白すぎてそこだけ抜いたアングル売ってほしい。

カルメンを踊っているまっちー普通にものすごいイケメンなのでやっぱりそこだけ抜いたアングル売ってほしい。

たわしは退団ということもあってエリックと直接絡む場面もいただいていて、後半になるにつれあの場面見るのが愛おしさと辛さでいっぱいになりました。ライビュでもしっかり抜かれてて本当に嬉しかったです。

あの場面はたわしがエリックのところに行く前にわざわざ帽子を外して近くにいるだれか(誰なのか結局最後までちゃんと見ることができなかった)に渡して、エリックに殴りかかりにいって。あれもエリックのおちょくりが数パターンあって、たわしの腕を押さえて「当たらなーい」ver、たわしの頭を押さえて「届かなーい」ver、たわしの頭を押さえつつ前髪をぐちゃぐちゃに掻き乱して「届かなーい」ver、そして千秋楽にしか私は目撃していないたわしの腕を押さえて自分のおでことたわしの前髪合わせてぐりぐりして「当たらなーい!」ver

もっとあったかもしれないけど私が補足したのはこの4種類です。前髪が乱れるとたわし「前髪があああ!!!!!」みたいなのいつも叫んでてすごい面白かった(笑)

大人数が舞台に出ている場面は本当に目が足りなくてもっともっと見たかったなぁという気持ちでいっぱいです。


◻︎その他

・最初のパリメロ、舞台上手奥でお手玉やったり座布団を無限にくるくる回してたもっちージャグラーがどんどん上達して行って本当に見事で、まっちーとかと絡んで「クッション回してみる?」したりしてたのがすごい可愛かったですね。

・最初のパリメロ、ピエロの壮海はるまくんがちょっとよく分かんないみたいな動きしてたりすごい体勢からのブリッヂしてたりして身体能力…と思いながら毎公演見てました。

・有栖ちゃんが大好きなんですけど、最初のパリメロでも夜のために着替えでも可愛いのにビストロのメイドも可愛い上にすごい歌えるという最高さで有栖ちゃんがもっと陽の目を見てガンガンソロ歌ってほしいと心底思ってしまった…あのビストロのメイドはなんで劇団員じゃなくてメイドが歌ってるんだ今すぐそのメイドと契約しろ!!と毎公演心の中で叫びながら見てました。

・今回で退団してしまったしまもん、どこにいても本当に綺麗で、もったいないお化けが出る…歌をもっと聞きたかったです。

・みんながカルロッタを嫌がっている中、1人だけ満面の笑みでうっとりしながら毎日カルロッタの歌を聞いていたかりあんの役作りの方向性に乾杯!カルロッタに「よろしくお願いします!」みたいに手を差し出して無視されたり、ビストロでクリスティーヌが本領発揮してみんながわーーっ!!と拍手してる時にも1人だけ「僕のカルロッタの方が絶対素晴らしい歌声だと思うんですけど…?」みたいな顔してて良かった(笑)かりあんが「あなたのファンのものです」してたら良かったかもしれない…!

バレリーナと薬草売りのはおりん。バレリーナの見所はやっぱり「夜のために着替え」のフェッテだと思うんですけども、あそこすごいしっかりリズムに合わせてフェッテしてたのはおりんが特に目を惹いて良かったです。それとエリックストーリーの薬草売りも、あの一瞬ですごい悪いものをベラドーヴァに渡しているのが伝わる演技力素晴らしいと思いました。

・クリスティーヌが最初にオペラ座に来た時に上手奥側にいる団員のすわんちゃん。日によって歌の自主レッスンみたいなことをしていたり、バレエの自主レッスンみたいなことをしていたり。多分あのグレーのお衣装の団員は契約してなくて見習いというか研究員?みたいな感じっぽいんですけど(Homeの時に衣装片付けたりとかしてるので)、上手奥ですわんちゃんが色々やってると劇団員(バレリーナ)のきららちゃんと琴羽りりちゃんが「トゥシューズ貸そっか?」「あっちで一緒にレッスン受けようよ!」みたいな感じで話しかけてて、そうするとすわんちゃんは「いえ私なんてそんな…!!」みたいに胸の前で手を振って断ってるのが可愛くていつも見てました。かわいい。

・顔が派手な男役がいる!と思って見ると大体聖海由侑くんだった。

・カルロッタの大ナンバーの場面でひときわ目を惹くお花のオネエこと麻斗くんが大好きすぎてあの場面の麻斗くんアングルが欲しいと心底…。

・ファントムのフーガで男役に担がれてすごい高音で「キャーーーー!!」って叫ぶ天咲礼愛ちゃん、いつもすごいなぁと思いながら聞いていました。あの不安定な足場であの声普通出せなくないですか?


その他場面ごとの細かい忘備録はひかりふる路の時みたいに書き出したいと思います…