2019/10/17 11時公演観劇
【ネタバレはします】
記録的猛威を振るった台風のせいで数少ない公演が中止になったりもした今公演。
見に行けないかもしれないと思いつつ何とか1回だけでも見にいくことが出来て本当に良かった!
映画の世界をもとにした作品をここのところ見る機会が多くて、元映画オタクの血がとても騒いでしまうんですが、「ハリウッド・ゴシップ」もそんな作品のひとつでした。
簡単に言うとめちゃくちゃ刺さりました。
刺さり過ぎて、ハリゴシの記事は書かないなーと思っていたのに書いている次第です。
田渕くんありがとう!!があとからあとから湧き上がってくるので前から好きだった田渕先生のことがもっと好きになりました!!
田渕先生のことを田淵先生と書いている人(結構いる)はこの機会に田渕先生の正しい漢字を覚えて帰ってくれると私が嬉しい!!
映画の薀蓄は今回は…あんまり書かない…。
◾︎田渕先生の演出のココが好き!
・正塚イズムを感じる。
いや似て非なるものなんですけど、正塚作品にある「主役がセンターでスポットを浴びながら歌ったり踊ったりしてる間群衆が行き交う」演出が私はめちゃくちゃ好きなんですけど、田渕先生もそれやるんですよね。
ハリゴシだと1幕ラストみたいなやつ。
色んな人の人生が交錯している感じがして好き。
・主役じゃない人の人生をめちゃくちゃ深読み出来る
今回でいうとジェリーとアマンダさんですね。むしろそっちのスピンオフを見たい。見せてくれ…
ルネサンスの時には「本当はメディチ家もっと描きたいんでしょ!?尺足りなかったんでしょ!?ねえ!」ってなりましたが今回は完全にジェリーとアマンダさん。絶対田渕先生の頭の中にはあるはずなんだあの2人のドラマが…事細かにあるはずなんだ…(思い込み)
妄想の余地がある作品が大好きです。故に多少の雑さは気にならない…でもこれ合わない人絶対いると思うから一長一短ではあると思う私は好き。
◾︎ハリゴシココが好き!
・ほぼほぼ「サンセット大通り」
これは加点ポイントになる人とマイナスポイントになる人いると思うけど私は加点ポイントです。
アマンダさんはノーマ・デズモンド…だって作中で出てくるサロメも同じだもの。
名匠ビリー・ワイルダーの名作なので未見の方はこの機会にぜひ…ミュージカル版もあります。
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・どんどん垢抜けていくコンラッド
冒頭シーンの「これは売れない」と思うところからのアマンダレッスンからのあの化け方よ…
あと咲ちゃんスタイルがいいからスーツスタイルをずっと見ていられる至福の時間…素材がいい…わかる…
マタドールは脚が5mある(ない)
・ジェリーという世界の恋人
すごい人間味ある。いや一回しか見てないから全然まだ咀嚼しきれてないんだけども。
嫌なやつなんだけど、その振る舞いに対して受ける罰としてはいささか重いところが逆に美味しい。
命が救われたのは田渕くんの優しさと私は勝手に思っています。
ヤク漬けになる彩凪翔って多分もうあまり見る機会なさそうだからすごい貴重…
あと冒頭のスクリーンに映されるドラキュラ伯爵は反則だ…あれはずるい…
・出てくるだけで面白いきゃびぃちゃんとまっちー
役名で言え。
いや反則ですわ…ずるい…あれは…
・狂言回しの愛すみれ
適材適所って言葉このためにあるんじゃないかな
・ダンスシーンを見れば納得のエステラ・バーンズ
作品によってムラがある潤花ちゃんですけど、私は今公演の彼女はとても好きです。
サロメのダンス、すごく好き。
あの場面を見ればジェリーが「スターの素質がある」と思ったのも作中で納得できたというか。
あとデュエダンがとにかく2人揃って振り付けも含めて可愛い!!
あんな振り付けは多分もう見ることないだろうな…というか咲ちゃんも潤花ちゃんもダンサーだから、ああいうタイプの振り付けされることは本当に珍しくと思った…珍しいものを見た気持ちでいっぱい…可愛かった…
・エキストラ仲間3人組
カリ様がとくにやべえ(見た人にしか伝わらない)
・カフェの客(おばあちゃん)
羽織ちゃんがとにかくすごく美味しい…
・100期の使い方
ゆめくん羽織ちゃん歌ソロパートあり、うえんつはエキストラの中でも目を惹くし、汐聖くんは短いながらダンスソロパートありで100期めっちゃ好きなのでありがたいしかなかった…
◾︎グッと来てしまったところ
・2幕のODジェリー
私、好きな俳優がたくさん薬でダメになってるんですよ。死んでる人もたくさんいる。
だからこそあの姿のジェリーを見るのが本当に辛かった。辛いと思わせてくれるほどの翔くんの演技力圧巻。
ジェリーがあの作品の先ヒース・レジャーになるのかロバート・ダウニーJrになるのかすごく考えてるけど、多分後者かなって。
後者であってほしい。
「映画スターを目指したきっかけは?」という2人の掛け合いの場面。
コンラッドが挙げた「ゾロ」を聞いて本当に泣きそうに…これ分かってて関連付けるためにそのタイトルですよね?他にもたくさんありそうなものを。わざわざ「子供の頃に見たんだ」って咲ちゃんの口から語らせるタイトルがそれとは。
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エステラが挙げていたキートン、ロイド、チャップリンも言わずもがな私も散々見たし大好きなのでありがとうという気持ち(真似そこそこ上手かったのもまた良し!)
・コンラッドがアマンダに別れを告げにくる雷の夜
感情なんてとうの昔に置いてきたみたいな感じでコンラッドに語りかけるアマンダさんが振り向いたらあの目元。完璧すぎる。
完璧に絵になる。余計なセリフいらないじゃんあれだけでアマンダさんの気持ちがこっちに伝わるよ最高。
・フィナーレ
5億点(ガバガバ)
◾︎ちょっと気になったところ
・冒頭出てくる作品が「椿姫」「ドラキュラ」だったので30年代の話だと思ってしまった…20年代なんだよな…
そもそもトーキーを初めて撮るからオーディションするところから始まるやつだった。
・雨唄も20世紀号もこの年代の作品だけどなんかドラマにしやすいの?そうなの?どっかで見た!!がめちゃくちゃ多い…曲も琥珀思い出したり、あちこちで20世紀号思い出したりetc…(まあ好きなので別にいい)
・ジェリーの事故からのラストまでが怒涛のナレーション力技〆だったの「尺〜〜!!」ってなった…まさかの世界大恐慌落ちだったのであの時代の予備知識がないと結構しんどいというか分かりにくいのでは…ヅカヲタは…というか雪のオタクは…幕末と革命期フランスにはそこそこ詳しいが1920年代のアメリカに多分そこまで詳しくない…かもしれない…(これは自虐です)
・お芝居のラストシーンがアステアとロジャースみたいだったのでテンション上がってしまいましたね…ああいうの好きなんで…
あの2人があんな形で出会ってなかったら、もう少し後の時代にちゃんとオーディションで評価されていたら、と思いを馳せてしまったけれどそれはあの作中では叶わない夢…。
でも幸せ。ああいうシーンが見られて。
凄く暗いオチの話にもできたはずなのに希望が見える終わり方してたので良かった。少しだけ優しい世界!
また思い出したら何か書き足すかもしれないです…。